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葵 ひとみさん

「フーコー「短編小説」傑作選8」にて、 「聖女の微笑み」が出版社採用で、出版経験があります。 第114回 時空モノガタリ文学賞 【 パピプペポ 】最終選考を頂きました。 第116回 時空モノガタリ文学賞 【 裏切り 】最終選考を頂きました。 心からありがとうございます。 感想、心からお待ちしています^▽^ Twitter @Aoy_Hitomi

性別 男性
将来の夢 毎日を明るく楽しく穏やかにおくります。
座右の銘 白鳥の湖、努力ゆえの優雅さ――。

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ニャンキチ先生とフルーツミックスのジェラート

16/12/06 コンテスト(テーマ):第124回 時空モノガタリ文学賞 【 五分間 】 コメント:2件 葵 ひとみ 閲覧数:581

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 小生、猫多川賞受賞作家マタタビニャンキチが20代前半ぐらいの
OLをしているアツコさんと真冬に大阪ミナミの高層ビルの最上階にある、
「DANCING AMAZING(ダンシング アメージング)」という
熱々のシーフードを手づかみで食べるケイジャン料理のお店で、
お互いに美味しいカクテルに酔っていたこともあり、意気投合した時のお話である――

小生とアツコさんが偶然、帰り道が同じ方向だったということもあり、
2人はお店のビルのフロントからタクシーに同乗した。
酔っていたこともあり午前3時の帰りのタクシーの中で、アツコさんは小生にこう言った。

「どうしても!!今すぐ!!フルーツミックスのジェラートが食べたいの!!!」

まったく女性というのはどうしてこうロクでもない時間にロクでもないことを言うのだろう?

昨夜、はじめて出会ったばかりなのに……

タクシーの運転手さんは少し怪訝な表情を浮かべていた……

ニャンキチは、

「今すぐ、フルーツミックスのジェラートの食べられるところがあったらそこへお願いします」と少し強面(こわもて)だが、
根は親切で優しそうなタクシーの運転手さんに頼み込んだ、
ネームプレートには「徳田勝康」と書かれていた。

タクシーの運転手さんは情報通でもありその街の顔なのである。

直ぐさま、大阪城公園の移動型なんでもジェラート屋さんに案内してくれた。

「お客さんたぶんここなら大丈夫やで」と運転手さんは目的地ではないのに
愛想良くそこで下ろしてくれた。

「お釣りはいいですから」
ニャンキチは感謝の気持ちも込めて2000円を運転手さんに差し出した。

「あいよー!!」運転手さんも愛想良く男前に次ぎのお仕事に丁寧に磨き上げられた
愛車を走らせた――

その移動型なんでもジェラート屋さんは30代前半ぐらいの気前のいい女性店員さん2人が切り盛りしているようだ。

「5分間でフルーツミックスのジェラートをお願いできませんでしょうか?」
と小生は頼み込んだ。

店員さんたちはイヤな顔一つ見せずに、ささっと職人技の域でメニュー以外の
フルーツミックスのジェラートを約5分間でつくりあげて、

「おおきに!!500円になります!!」と笑顔で小生に手渡してくれた。

小生は店員さんに500円を渡し、深々とお辞儀をした。

小生は心の中で、女性のワガママに振り回されるぐらいなら、
次作の純文学小説「華麗なるミュゼット家の人々」のプロットで苦悶する方が
まだましだと痛感していた……

小生はそのフルーツミックスのジェラートを大阪城公園のベンチで
アツコさんに手渡した。

アツコさんは「ありがとう」も言わずに、
満足そうにフルーツミックスのジェラートを無口で嗜んだ後、
ニャンキチの前からプラダのバックを頼りなさげに持ち上げて、
きつい名も知らぬパルファムの香りだけを残してさっさと立ち去った――

 真冬の寒さの中、独りぽつんとベンチに残されたニャンキチはビルの向こうの
やがて消えゆく遠い夜空の三日月と金星を眺めながら、
大きなあくびをしたあと、始発の電車を長々と待っている間、またもやトホホな気持ちになっていた――



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このストーリーに関するコメント

16/12/06 あずみの白馬

拝読させて頂きました。
ニャンキチ先生に哀愁を感じずにはいられませんでした。
彼の恋が実る日は来るのでしょうか……

16/12/07 葵 ひとみ

あずみの白馬さん

御拝読とコメント心からありがとうございます。

>ニャンキチ先生に哀愁を感じずにはいられませんでした。

今回はニャンキチ先生の
切ない心理描写を風景などとともにも織り交ぜて執筆してみました(^▽^*)

>彼の恋が実る日は来るのでしょうか……

ま……まさに、「神のみぞ知る」ですよね(苦笑)
ニャンキチ先生も惚れっぽい性格を直した方がいいような(大笑)
ニャンキチ先生シリーズはエンターテインメント作品としてこれからも執筆してゆく予定です。
御拝読とコメント心からありがとうございます。

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