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つつい つつさん

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グダマ・モホホフ・アウィッチ族の習性

16/11/07 コンテスト(テーマ):第121回 時空モノガタリ文学賞 【 捨てゼリフ 】 コメント:0件 つつい つつ 閲覧数:518

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 今月の森の通信では、愛らしくてみんなに愛されるグダマ・モホホフ・アウィッチ族の興味深い一日を特集します。
 まずグダマ・モホホフ・アウィッチ族は朝日が昇ると、みんな果樹園に集まります。
「やあ、みんなおはよう。爽やかな朝だね」
「おはよう。今日も素晴らしい一日になりそうだね」
「今日も太陽が顔を出してくれたことに感謝だね」
 方々で明るく元気な挨拶が交わされると、何十体ものグダマ・モホホフ・アウィッチ族が木で造ったお手製の樽を背負い、綺麗に縦一列に並んで川まで下っていきます。順々に歩いてきたグダマ・モホホフ・アウィッチ族は、川にたどり着くと背中に背負っていた樽に水を汲みます。そして、またそれを背負うと、今来た道を上がります。果樹園に再び着いたグダマ・モホホフ・アウィッチ族は、自分の管理している木々の周りに水を撒きます。樽に入った水は最初は満タンですが、歩いている間に少しずつこぼれ、果樹園に着くころには三分の一くらいに減っています。減っているのはまだいいほうで、グダマ・モホホフ・アウィッチ族の何体かは歩いている最中につまづいて全部こぼしてしまいます。ですが、グダマ・モホホフ・アウィッチ族はそんなことお構いなしです。水が無くても撒く動作をし、また水を汲んでは撒く、それを五回くらい繰り返すと太陽の光はすっかり高く、きつくなっています。すると、日差しと往復ですっかり疲れ果てたグダマ・モホホフ・アウィッチ族はそれぞれ自分のお気に入りの木に登り、葉の陰で暑さをしのいでうたた寝をします。そして、そのまま二、三時間経った頃、誰かが起きだして木から降りて叫びます。
「ウーホッウゥ! ウウッホッホホウゥゥ!」
 誰かが叫び始めると、みんなそれにつられて一斉に鳴き始めます。
「ウーホッウゥ! ウウッホッホホウゥゥ!」
 山で眠る鳥達は毎日のこととわかっていても毎回驚いて飛び起きます。そして、バタバタとグダマ・モホホフ・アウィッチ族の周りを飛び回り抗議をします。
「僕達は寝てる時間だから静かにしてくれないか。毎日、毎日迷惑なんだよ」
 まるでそう言ってるかのようにグダマ・モホホフ・アウィッチ族の傍をすごい速さで通り抜けるが、グダマ・モホホフ・アウィッチ族はまるで気にしません。
 起き出したグダマ・モホホフ・アウィッチ族は、次に果樹園の木々の周りの雑草を抜きます。今度は綺麗に横一列に並んで、ゆっくりと雑草を抜きながら端から端へ前へ進みます。しかし、木が邪魔してまっすぐ進めません。しかし、グダマ・モホホフ・アウィッチ族は頑なに前に進もうとするので、木や、隣を進むグダマ・モホホフ・アウィッチ族にぶつかったりします。すると、グダマ・モホホフ・アウィッチ族はぶつかるたびに「これはこれはどうも、お先にどうぞ」と譲り合います。もはや雑草を抜いている時間より謝ったり、ぶつかったりしている時間のほうが圧倒的に多くなります。それでもグダマ・モホホフ・アウィッチ族は一列に並んで行動することをやめません。
 夕方になり仕事が終わると、いよいよ食事の時間です。グダマ・モホホフ・アウィッチ族は食事の時も一列に並びます。グダマ・モホホフ・アウィッチ族は食事をする時にいつも同じ場所に座るため、横一列、草も生えていません。みんなが座り終わると、その日の係りが食事を配ります。今日はクラグスの木の実と、一週間前に収穫したナプゥーナの実を干したものです。グダマ・モホホフ・アウィッチ族の食事は主に果物と木の実が中心です。
 食事を食べ終わるとグダマ・モホホフ・アウィッチ族の一日は終わり、あとは、寝るだけです。グダマ・モホホフ・アウィッチ族のねぐらは崖の切りたった土がむきだしになった場所にそれぞれ自分用の穴を空けて寝ています。みんなねぐらまで一列で戻ってくると、それぞれ自分のねぐらに入ります。
「おやすみ。これで、お前のギョロギョロした目を見なくていいな、せいせいするよ」
「おやすみ。今日一日、お前のうるさい声で耳がキンキンしてるよ。もうはやく、ねぐらに戻ってくれ、うんざりだ」
「おやすみ。どんくさいお前に三回もぶつけられて、体中が痛いよ。もう、お前の顔は見たくないよ」
 グダマ・モホホフ・アウィッチ族は別れ際、悪態をつきます。毎日のことですが、グダマ・モホホフ・アウィッチ族は毎回カンカンです。そして、相手のことを次に会ったら殴ってやると思いながら眠りにつきますが、朝になって再び顔を合わすと、みんないい奴なので許してしまいます。集団生活を営むグダマ・モホホフ・アウィッチ族ならではの知恵なのかもしれません。
 このようにしてみんなの人気者のグダマ・モホホフ・アウィッチ族は一日は過ぎていきます。
 皆様、楽しんで頂けましたでしょうか。今月の森の通信日記は以上です。では、次回もお楽しみに。


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