1. トップページ
  2. 人生おみくじ‼

みやさん

写真と物語の融合、写真物語家を夢見ています。 マイペースで更新中。Twitter➪@miya_ayim

性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの作品

0

人生おみくじ‼

16/11/03 コンテスト(テーマ):第121回 時空モノガタリ文学賞 【 捨てゼリフ 】 コメント:0件 みや 閲覧数:363

この作品を評価する

私はくじ運が悪い。
おみくじ、宝くじ、懸賞、近所の商店街の福引、年賀状の抽選、今迄生きてきた14年の人生の中で何かのくじに当たった試しが一度も無い。

おみくじは大体が凶。良い時で末吉。宝くじはお小遣いを貯めて奮発して10枚買ったらもれなく付いてくる300円のみ。懸賞は応募してもことごとくハズレ。近所の商店街の福引は決まって白玉。年賀状の抽選は切手シートすら当たった事が無い。

「知香は本当にくじ運の悪い子ね」と母。
「誰に似たんだ…」と父。
「貧乏神だ!」と弟。

家族でさえもそう言って呆れるくらいだ。イヤになる。

けれど人生に於いてもし、生涯くじ運率があるとすれば私の後の人生はすごい当選率が残されているはずだ。何せ今迄一度も何にも当たった事がないのだから。だとすれば…将来きっと私は宝くじが当たって三億円を手にするはずだ。その時になって泣きついてきても知らないからね、と私は私を貧乏神呼ばわりした家族に舌を出す。

「知香、商店街でお醤油買って来て」

冬休みで家でゴロゴロしている私に母が言ってきた。宿題しているからと言う言い訳が通用する訳も無く、お駄賃500円に釣られて私は買い物に出掛ける事になった。

お正月が明けたばかりの商店街はまだお正月ムードが残っている。今年の初詣のおみくじも凶だった。年賀状の抽選もきっと切手シートすら当たっていないだろう。けれど気にする必要は無い。生涯くじ運率は残せるだけ残しておいた方が良い。将来三億円が当たる率が上がるのだから。

「お使い、偉いね」
酒屋のおばちゃんが褒めてくれた。それ程でも…と照れていると、おばちゃんが福引の券をくれた。
「そこでお年始の福引やってるからおまけであげるね」ありがとうございます。私はお辞儀をして店を出た。

福引の一等賞はグアム五泊七日の旅。我が家は海外旅行などに行った事はもちろん無い。家族と初めての海外旅行…すごく魅力的だけれど…きっと当たる訳が無い。そう思いながら私は福引の列に並んだ。

けれど福引の列に並んでいると嫌な予感がしてきた。今迄に感じた事のない感覚。胸がザワザワとする。何故だか分からないけれど、当たりそうな予感がした。まずい…と私は思った。ここで大事なくじ運を使う訳には行かない!

困っていると、福引の列の横で抽選したいよ〜と駄々をこねている小さな子供がいた。私は咄嗟にその子に福引の券を渡して、これあげる。お姉ちゃんの代わりにガラガラ回していいんだよと一緒に福引の列に並び直した。その子の両親は、最初は戸惑っていたけれど、いいの?ありがとうね。と言ってくれて、その子もお姉ちゃんありがとう、と喜んでくれた。いいんだよ、私の代わりに思いっきり福引のガラガラを回すんだよ。列に並んでいた人達からも、偉いね、優しいね、と賞賛の声が上がる。いえいえ、それ程でもありません。

そしてその子の番が来て、その子が小さな手でガラガラを思いっきり回すと…
コロン、と金色の玉が飛び出した。

カランカランカラン、と福引のおじさんが鐘を鳴らした。大当たり〜!一等賞だよ〜!
私はやった!と思った。自分が当たらなくて本当に良かった。その子もその子の両親も大喜び。その場にいた人達もすごい、すごいと大喜び。

誰かが叫んだ。お姉ちゃん良い事したね!誰かも叫んだ。きっとこれから良い事があるよ!
もちろん、私は将来三億円当たりますから。きっと良いくじが残ってますから。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン
アドセンス

新着作品