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吉岡 幸一さん

性別 男性
将来の夢
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ドアの向こう側で

16/09/06 コンテスト(テーマ):第88回 【 自由投稿スペース 】 コメント:0件 吉岡 幸一 閲覧数:901

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君が家に閉じこもってから何日が過ぎただろうか

「人が怖い」と君は云う

電車に乗ると誰かのささやきが、学校にいくと誰かがつけまわし

鎖につながれた犬さえも君の噂をしていると云う

「たすけて」と君は泣く

「もうすぐあなたを恐れるようになると思うの」

「もうすぐあなたが信じられなくなるでしょう」

「もうすぐあなたを避けることになるはず」

カーテンを閉め切った部屋の中で毛布を頭から被り

外界を拒絶し、ひたすらに自己とのみ関わろうとする君

外界を拒絶しても見知らぬ誰かの声が聞こえてくる

複数の男と女の声が頭の奥で君のことを嘲っている

「名のある病気だとお医者様から言われたの」

「おかしいでしょう、わたし病気なんかじゃないのにね」

君は不思議そうに云うけれど、不思議そうな君が不憫

次第に退けられていくことになるだろうぼくに

いったいなにができるというのだろうか

たとえぼくのことを信じられなくなる日が来るとしても

たとえぼくを恐れ避けるようになる日が来るとしても

ぼくはひとつドアの向こうからでも君の傍にいる

ひっそりと君の憎しみを避けてドアの向こう側で待っている

いつか君の病気が癒えて社会復帰ができたなら

約束どおり東京ディズニーランドにつれていくよ

人が溢れた夢の楽園で君は人を怖がることもなく笑うだろうか

闇夜がこの先何年つづこうとも 更に深い闇が訪れようとも

いつかは君自らの意思であついカーテンを開け

再びあかるい日の光を浴びる時が来るのだろうか

ぼくは待っている ひとつドアの向こう側でぼくは待っている





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