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素元安積さん

もともと・あづみと申します。 絵を描くのが好き。 話を作るのも好き。 どちらも未熟ですが、楽しみながら頑張ります。

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ぼそぼそ

16/06/26 コンテスト(テーマ):第111回 時空モノガタリ文学賞 【 蕎麦 】 コメント:0件 素元安積 閲覧数:508

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 私は蕎麦みたいにぼそぼそ。髪も、顔も、もはや心も。

 こんな私だって、みんなのようにつるつるとしていて自然と喉を通って、皆の中に溶け込める存在になりたいよ。

 でも、この姿も心も変えられそうに無く、私はずっと蕎麦のままで……。

「蕎麦だって、ツルツルで喉越しの言いものがいっぱいあるし、仮にぼそぼその麺だって、それはそれで美味いんだよ?」

 卑屈を極める私に、君はそう言った。だから私も、更に気持ちを捻じ曲げて、

「そうか、じゃあ私は蕎麦以下なんだ」

って、君を困らせるような返事をしてみた。そしたら君は、

「アンタの味も喉越しも知らない。けれど、私は蕎麦もアンタも好きだよ」

と答えた。

 ぼそぼそで幾つも重なっていた蕎麦のように重たい心は、君のその一言だけで、水を得たようにほぐれていった。


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