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さわらぬ猫にたたりなし

16/04/01 コンテスト(テーマ):第106回 時空モノガタリ文学賞 【 ねこ 】 コメント:0件 窓際 閲覧数:475

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人が忙しなく動き続ける現代。
会社帰りに一匹の野良猫に会う。
都会の猫は気性が荒いのだろうかいくつもの怪我が見受けられた。
そして何よりも特徴的だったのが、野良とは思えないほど綺麗に整った銀色の毛並とまるですべてを見透かしているかのような透明感のある青い眼だった。
どちらかと言えば犬派だったのだが、この猫に対して私はこれまでに感じたことのない羨望と好意を抱いた。
そんな感情を抱きながら熱い視線を送っていると、猫がこちらに近づいてきた。
距離が縮まるごとに私の期待は膨らんでいく、
もしかしたら私になついてくれるかもしれない・・
なんてことを思っている私の感情を読み取ったかのように猫は私のすぐ手前でUターンする。
ちょっとショックだったが、幻想的ともいえる猫との出会いに私は胸を弾ませながら家に向かって歩き始めた。

そんな猫のことも忘れてしまい、私はまたいつもの日常を過ごしていた。
仕事仕事の毎日で私を癒してくれるのは私を愛してくれる彼氏の存在であった。
たまに家に来てくれて料理を作ってくれたり、マッサージもしてくれる。
デートも私が行きたいとこを知らないうちに予約してくれてたりして本当に自慢の彼氏だ。

忙しいながらも幸せな日々を送っている中、私にとって一つの大きな事件が訪れる。
彼氏の浮気だった。
私に尽くしてくれていた、それに甘え過ぎていたせいで彼氏に疲労を蓄積させてしまったんだと思う。
私がどう引き留めようと無駄だった。
私は生活の支えを失うこととなってしまった。

そんな絶望の中で私はまたあの野良猫と出会った。
懐かしさも感じていたがそれよりも今の私にはその猫は神様のように輝いて見えた。
私は野良猫に駆け寄って抱き上げる、抵抗されるかと思っていたが私の今の状況がわかっていて慰めるかのように私に頬ずりをしてくれた。
その日から私はこの猫と暮らすこととなった。
一応名前も付けてみた。銀色だから≪シルバ≫多分この名前で反応してくれるのはずいぶん先のことなのだろうけど、新しい家族としてちゃんと迎えたかった。

シルバは猫にしては珍しくあまり放浪したり日向で寝転んだりもしない。
ただ時々ふらっと出て行って傷だらけで帰ってくる。
心配になってどこに行っているのか尾行してみたこともあったのだが、すぐに気付かれ見失ってしまった。

シルバが家に来てからというもの私の人生は大きく変わり始めていた。
会社では主任を任せられるようになり新プロジェクトの責任者にも選ばれた。
大きな額ではないが今まで300円しか当たったことのない宝くじも10万円を当てることができた。
そして一番うれしかったのが私にモテ期が来た。
今まで3分咲きぐらいだった私の人生が満開のように輝き始めていた。
シルバは幸せを運んできてくれる天使だったのかなーなんておとぎ話のようなことを考えていたりもした。

ある日友達と一緒に占いをしてもらいに有名な占い師さんのところへ行った。
友達は隠していたことなどをすべて言い当てられ、この先のことなどをいつしなく真剣に聞いていた。
あまり占いなんて信じていなかったのだが友達の様子を見て本物もいるんだなーって思いながらも自分が今から占ってもらえることに少し高揚していた。
本来は占いをする部屋には一人しか入れないのだが友達がこの頃ついている私のこの先の占いがどうしても聞きたいというので無理行って二人で占い部屋に入った。
だが、占い師は私を占いだした途端に顔色を悪くする。
そして小声で一言だけ「お気の毒に」と言った。
聞き返す間もなく占い師は私の占いの結果を話し出す。
当たっていたし悩んでいたことも解決できたのだが、私にはどうしても最初の一言が気になって仕方がなかった。
だが時間が来てしまったのでそのことは聞けずに帰ることとなってしまった。
私が運転している車の助手席で、気を使ってくれたのか友達は
「運が良すぎる状態が終わっちゃうってことかもよ!でもほら、ついてるってのは憑いてるってことなんて言うしそろそろ終わってくれたほうがいいんじゃない?」
なんて言葉で私を和ませてくれた。

家に帰りついて私は疲れで気を失ったかのように眠ってしまった。
薄れゆく意識の中でシルバが近づいてくるのが見えた。
今日も綺麗だなーなんて思っているとその猫は不気味に笑った。


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