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犬塚比乃子さん

日々修行です

性別 女性
将来の夢 小説家
座右の銘 家にて小説を書けば小説家なのだろうか。

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もとをさかのぼってみよう

16/03/26 コンテスト(テーマ):第105回 時空モノガタリ文学賞 【 水族館 】 コメント:0件 犬塚比乃子 閲覧数:483

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 「ああ、きれいだね。」
 
 新しくできた水族館の中は、様々な水生生物が居た。水槽の中に居る生きものたちを来館した人間たちが眺めているのだ。
 
「まるで、僕たちが観察されているみたいだ。」

 母親に甘える息子は、うっとりとイワシの魚群を見てはしゃいでいる。

 「そうね。」

 母親も母親で、息子を連れてきてよかったのだと心底思ったようだった。

 その場に、宇宙船に乗った地球外生物が怪しげなスポットライトに照らされながら宇宙服を着て現れた。魚類のような外観をした彼らは、人間に閉じこめられている同種の魚たちを見て憤慨し、宇宙服ごしの電子音でこう言った。

 「けしからん。けしからんぞ。我らが同胞をこんな見世物にするなんて。」

 水族館に居た人間たちは恐れおののき逃げ惑ったが、全員が捕まって宇宙船に乗せられ、水族館の建物ごと魚類のような宇宙人たちの住まう惑星まで連れ去られてしまう。

 水族館があった跡地には、やがて人々が宇宙人に連れ去られたことを記念して碑が立てられた。
 
 「ああ。きれいだね。」

 魚類に似た宇宙人の子どもが、さまざまな人間たちのいる巨大カプセルの中身を指さして親と思しき魚類に似た宇宙人とはしゃいでいる。

 「そうね。」

 そこは、まるで水族館の水槽を外から見ているかのようだったのだという。

 四百年後のこと。やがて文明が発達した人間たちは、報復のために宇宙船を魚類に似た異星人が住まう星まで兵隊と共に飛ばした。光速のワープ技術などが進歩していたので三日ほどで到着したらしい。

 寿命のために人間の捕虜は全員死亡していたが、政府の意向に従った兵隊たちは最新式の武器や兵器を使用したため勝利をおさめ、捕虜として捕まえてきた魚類のような生物を、例の記念碑が立てられた水族館の跡地へと収容することに成功した。

 そう。新手の水族館と化したそこは、科学技術の進歩した魚類によく似た宇宙人たちが再度侵略しにくるかもしれないスポットとして地球上では有名になっていたのだった。

 

  
  


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