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らけるさん

応募だけでも続けていきたい。

性別 男性
将来の夢
座右の銘 適度に適当。

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中山俊

16/02/17 コンテスト(テーマ):第103回 時空モノガタリ文学賞 【 同棲 】 コメント:0件 らける 閲覧数:673

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目が覚めると、見覚えのない天井が目に入った。そのままふと隣を見ると見知らぬ女性が眠っている。動揺した僕は咄嗟にベッドを出て思い出そうとする。昨日の夜、酔った勢いで女性の部屋に来てしまったのだろうか。だがなにも覚えていない。それどころか自分が誰なのかすら思い出せないのだ。焦った僕が自分の携帯を探し始めたところで隣で寝ていた女性は目を覚ました。
「おはよう、あなた。今日は早いのね。すぐに朝食を用意するからシャワーでも浴びて待っててね。」
どうやら彼女は僕の妻らしい。
「ああ。」
とりあえず返事をした僕は彼女の提案通りシャワーを浴びることにした。この部屋には携帯どころか自分の物らしき物が見つからないのだ。冷水でも浴びて頭を冷やせば何か思い出すかもしれない。廊下に出てシャワー室を探す。どうやらここはマンションの一室のようだ。シャワー室はすぐに見つかった。脱衣所にはスーツが置いてあった。僕はこれに着替えて仕事へいくらしい。とにかく、シャワーを浴びて着替えて彼女が朝食を用意しているであろう部屋へ向かった。朝食の席につくとそこにスマホが置かれていた。咄嗟に手を伸ばし起動する。ロックはかかっていなかった。SMSアプリを起動すると自分のプロフィールが目にはいった。
中山 俊
これが僕の名前なのだろう。だが、名前を見ても他のことは思い出せなかった。写真フォルダを起動すると綺麗な風景と彼女を写した写真が並んでいた。僕が写っている写真は見当たらないが自分のスマホならおかしくはないだろうと思い、スマホを置いた。
「今日から新しい職場なんだから、はやく食べないと遅刻するわよ。」
彼女にそう言われた僕は唐突に
「なぁ、僕の名前って中山俊であってるよな?」
と確認した。
「なに当たり前のこと言ってるの。まだ寝ぼけてるのかしら。」
と微笑んで彼女は言った。その彼女の微笑みを見た僕は記憶がないことをまだ言うべきではないと思った。とにかく一人で病院へ行こう。
「いやぁ、冗談だよ。」
適当に誤魔化して朝食を口にした。
「ご馳走さま。じゃあ行ってくるよ。」
スマホをポケットにしまい、なに食わぬ顔で僕は玄関へ向かった。
「ええ、いってらっしゃい。」
彼女はそういって食器を片付け始めた。
玄関にいくと予想通りそこには鞄が置いてあった。それを手に取り僕は家を出た。僕が今いた部屋はやはりマンションで3階の角部屋だった。外を見たが見覚えのない風景だった。道路を見下ろすと一台のタクシーがそこに止まっていた。あのタクシーでもつかまえて病院へ行こう。そう決め、あるきだした。
部屋にいた女性は男がタクシーに乗ったのを窓から確認すると、電話をかけた。
「もしもし、こちら××。囚人No.036は薬が効いているようで記憶がないみたいです。手配したタクシーに乗ったのを確認しましたのでご連絡いたします。予想通り病院へ向かうものと思われます。」

「了解。あとはうまくこちらで彼に中山俊という人間だと思い込まる。君は引き続き家でのサポートをよろしく頼む。」

「彼が更生して新しい人生をうまく歩めればいいのですが。」


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