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あすにゃんさん

主にエッセイ日記を、土日を除く毎日書いてます。

性別 女性
将来の夢 物書きになること
座右の銘 天は自ら助けるものをたすく。

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恋愛レストラン

15/12/22 コンテスト(テーマ):第九十九回 時空モノガタリ文学賞 【 失恋 】 コメント:0件 あすにゃん 閲覧数:545

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いらっしゃいませ。当『恋愛レストラン』へようこそ。わたくしはこのレストランの支配人でございます。当店では、ラフな格好でもいらっしゃることができます。Gパンでも構いません。お気軽にいらしてください。
 
 おや、今日のお客さまは、少しフォーマルでいらっしゃいますね。
 女性の方は、白いブラウスに黒いスカート。
 男性の方は、黒いスーツに蝶ネクタイ。
 深刻な顔をしていますが、葬儀かなにかに、出られておられたのでしょうか。

さりげなく、耳を傾けると、こんな会話が耳に入りました。
「あなたの気持ちが分らなくなったの」
  女性は、男性に訴えています。
「わたしにカレシがいることは、もう判っているでしょう。なぜ、知った上で、東京に一緒に行って共に過ごそうなんて言えるの」

 男性は、優しい声で答えます。
「でも、きみのカレシは末期ガンで、あと三ヶ月も持たないそうじゃないか。この辺で見切りをつけて、看病は他の人に任せればいいんだよ」
「そういうわけにはいかないのよ」
 女性は、潤んだ瞳になると、片手に持ったハンドバッグの中から指輪の箱を取り出しました。
「これ、お返しします」
「それでいいのか。将来を捨ててまで、カレシに操を立てるのか」
 男性は、語気を荒げるのです。

 二人は沈黙し、ワインを分け合って別れました。
 そのあと男性は、お勘定を払いましたが、その際こんなことを言いました。

「ここへくる前に、ぼくたちは、『第九』を歌ったけれど、結末は歓喜というわけには、いかなかった」

ここは『恋愛レストラン』。人々の恋愛模様とともに、人生の一コマが味わえるレストランです。


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