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皐月一語さん

詩が得意です。新しい事に挑戦しようと思って、短編小説、がんばろうと思います。

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終止符

15/10/23 コンテスト(テーマ):第六十五回 【 自由投稿スペース 】 コメント:0件 皐月一語 閲覧数:517

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夕暮れ間際のオフィス。私と同期入職の、明美しかいない。仕事はただひたすら承認スタンプを押すだけ、30分で終わるだろう。単純作業は私に考える時間をくれる。今日の仕事内容とか、夕飯何にしようとか、今日のデパートのおつとめ品は何があるだろうとか、、、いろいろだなぁ。そういえば・・・・彼氏は私に、「愛している」と言わなくなった気がする。彼氏彼女だから、いろいろする。・・・でも、彼の感情や態度があまりにも「愛」とはかけ離れている気がしてならない。

大きな輪を描くように、
私はただ、アナタのまわりをまわりながら起点とも、終点とも言える軌道を、ただ愛し続けてさまよっているだけの気がする。彼の本当の気持ちはいったいどこにあるんだろうか?
聞きたいけど、聞きたくない。「別れ」という最悪の事態を避けたいと、心から思う。
私は彼が好きなのだ。

でも、最近はどうしても、永遠に交わらない平行線のように私とアナタはただ、少し近くにいたとしても、永遠に、お互いの存在を身近に感じならがら、本当の意味で交わらない気がしてしまう。このままただアナタを永遠に好きで、愛して、ただ永遠に交わる事を期待しながら、でもそれは無理なんじゃないかとも思いながら、絶望感と期待感の間にたたずんで、何もしないから、何も変わらない。分かってる。

そんなことばっかり考えてるとなんか頭が哲学的になって、あなたの態度が冷たくなれば冷たくなるほど、私とアナタは何故出逢ったのだろうと、とても、とても不思議に思えてしまう。もうむしろ、恋愛感情が交わらないなら、他の事も気持ちも全部、ゼンブ交わらないような、そんな気さえする。

私という糸と、アナタという糸はいつも平行線で、限りなく近づいたり、離れたりしても、永遠と交わらないと感じてしまう今、私と彼の心も実はすごく近くにあるのに、初めから、いやきっと根本から限りなく近づいても交わる事はなく、だからといってものすごく離れる事もなくお互いを少しずつ必要としながら、でも、愛という感情では絡まったり、くっついたりはしないのかもしれない。つき合う前は楽しかった。遠慮無しにいろいろ言えた。極端に喜んだり、悲しんだりしなくて、楽しくいられた。

彼は、一度も別れたいとは言わない。けれども明らかに、私と過ごさない時間のほうが、楽しそうに、生き生きして見える。気のせいだろうか?

自分自身の気持ちを考える。感情を見る。何もかもがあまりにも不鮮明だ。
今の彼といて、楽しいかと思えば、そうでもない。でも好きだ。楽しかった頃の記憶を呼び起こすと、踏みとどまってしまう。どうしたらいいんだろう?

ポケットの中で携帯が揺れる。バイブの短さからいって、これはLineだ。このタイミングで、彼じゃない事を願う。

「ちょっと距離置きたい」

彼だった。考えてることは一緒だった。携帯の画面が滲んで見えない。別れの発言をされたわけでもないのに、おそらく彼の中で私はもう、彼女ではないんだろう。ただ、ただ彼のことを本当に好きか、こんな状態になっても一緒にいたいと思うか自問自答しながら、果てしない時間を永遠にさまよってしまう気がする。

返事ができない。ただただ訳の分からない感情の波に押しつぶされながら、良い思い出ばかり思い出して、どうにもならない現状と向き合って、どっちつかずの自分の想いを処理できず、子供のように泣くしかなかった。
友達がかけよって心配してくれた。慰めてくれた。たまらずここ数ヶ月の彼の様子や二人の状態を話していたら、あることに気づいてしまった。

彼女になってから嬉しくて、でもいろいろな事が不安だった。言いたい事が言えなくなった。口には出さなかったけど、焼きもちをやいた。焼きもちをやいてほしくて他の男と仲良くしたこともあった。彼の優しさが時折嘘に見えてしまって、一人いらだっていた。変わってしまったのは私だ。

彼の態度や言動が曖昧だったわけじゃない。私の彼に対する全ての感情が態度が、彼にとっては曖昧だったんだ。
このどうしようも無い感情と、曖昧な今に終止符をうつには、自分から別れを切り出すべきなんだろう。それでも尚、頭の中では、「別れ」と「継続」の二択で激しく戦っていた。

まだ息も整わないまま、声になるかもわからない状態のまま、気がつけば、震える手でしっかり電話を握りしめながら彼に電話をかけていた。

自分でもよくわからないうちに、私の口をついて出た言葉は「別れたい」だった。

「え?なんで?いや、ここ数ヶ月大きなプロジェクト抱えてそっちに集中しなきゃいけなくて・・・・よく分からないけど、泣いて電話してきて別れてくれなんて、よっぽどなんだな・・・分かった。何も聞かないよ。今までありがとう。」

そうだ・・私は一度も彼に理由を聞かなかった。私はただ自分が作り出した妄想の世界で悲劇のヒロインとなってしまってたんだ・・・・・。


音も無く何もかもが崩れていくのを感じる。目に見えている景色が全て歪んで見え、呼吸がよくできない・・・・・意識が遠のいていく。



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