1. トップページ
  2. 至福のひととき

霜月秋介さん

しもつきしゅうすけです。 日々の暮らしの中からモノガタリを見つけ出し、テーマに沿って書いていきます。

性別 男性
将来の夢
座右の銘 不言実行

投稿済みの作品

0

至福のひととき

15/09/20 コンテスト(テーマ):第九十一回 時空モノガタリ文学賞 【 アニメ 】 コメント:0件 霜月秋介 閲覧数:1083

この作品を評価する

 その人は、アニメが好きな人でした。

 その人は私の会社の同僚で、私の右隣のデスクに座って仕事をしていました。

「あ、今日はトラエモンの日じゃないか」

 彼は、自分のデスクの上のカレンダーを見ながら、時々そのようなことを口にしていました。彼のデスクの上のカレンダーには、その日にテレビで放送されているアニメがメモ書きされていたのです。それほどアニメが好きでした。彼は残業などはせず、夕方五時には家に帰っていました。

 四十代半ばである彼がなぜそこまでアニメが好きなのか。その理由を私が知ったのは、彼の葬儀で、彼の奥さんから話を聞いたときでした。

「夫は、あのひとときが大好きだったんです。娘と一緒にアニメを見ながら笑う、あのひとときが。夫は言っていました。会社でどんなに嫌なことがあっても、娘とアニメを観ているときだけはそのことを忘れられると」

 持病が悪化し、医者に余命を宣告されたからの彼にとっては、娘とアニメを観るその時間だけが生きがいだったのです。

 大人になって、つらい現実に疲れを感じたとき、テレビをつけたらアニメが放送されていて、思わず見入ってしまったという経験、あなたにもありませんか?アニメには、人を惹きつけ、心を癒す力があるのかもしれません。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン