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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

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沖縄に行きたい

15/09/07 コンテスト(テーマ):第九十二回 時空モノガタリ文学賞 【 沖縄 】 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:866

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 わたしは、林ふうこ。小学三年生だ。
 七月のはじめに、テレビで、沖縄の海をみてから、沖縄に行ってみたくてしかたがない。

 うちは、中華料理屋さんだ。
 お父さんが料理を作って、お母さんが手伝っている。
 お昼になると、近所のサラリーマンが、わんさかやってくる。
 お父さんの中華は、おいしいって評判なんだ。
 でも、わたしは、毎日毎日、お店の残り物ばっかり食べてて、なんだかつまらない。
 どうして、うちは、中華なんだろう。ステーキとかハンバーグとか食べたいのに…。
 それに、家がお店をやっていると、家族で旅行するなんて、ゆめのまたゆめなんだ。
 だって、お父さんったら、
「わしの料理を楽しみにしてくれている人に休んだりしたらもうしわけねぇ。」
なんて言って、仕込みをする月曜日しか休まないんだもん。

 夏休みになった。
 やっぱり、わたしは、どうしても沖縄に行きたい!
「沖縄に行きたいよー。」

 わたしは、お母さんに泣きついた。
 そしたら、それを聞いていたお父さんが、言ったんだ。
「よし。わしにまかせとけ!」
「えっ、つれて行ってくれるの?」
「まぁまぁ、楽しみにまってろ。」
 お父さんに言われて、わたしは、
「うん!」
と、大きくうなづいた。

 お店が休みの月曜日。
 お父さんは、朝から電話したり、買い物に行ったりいそがしくしていた。
 帰ってからも、ずっと、お店のおくでなにかしている。
「何してるのかなぁ?」
 わたしは、気になったけど、友だちのゆうなちゃんの家に遊びに行った。

 夕方、家に帰ると、ぷーんといいにおいがする。
 テーブルの上には、みたこともない料理がならんでいた。
 お父さんが、得意顔で言う。

「これが、ゴーヤチャンプルー、ソーキそば、ラフテー、ミミガー、サーターアンダギー、ほれ、沖縄に行ったみたいだろ!」

「えーっ、これ、全部、沖縄料理?」
 わたしは、びっくりした。
「知り合いの肉屋さんで仕入れたんだ。大変だったけど、楽しかったぞ。」
 お父さんは、わらう。

(わたし、沖縄の海が見たいんだけどなぁ…。)
 心の中でつぶやいたけど、お父さんが、うれしそうにしてるから、わたしも、うれしくなっちゃった。
 ひと口、食べてみる。
「おいしい。」

 わたしは、パクパク食べた。

 沖縄の海は見られなかったけど、こんなにおいしい料理は、はじめて食べたよ。

 わたしは、パンパンにふくらんだおなかをさすりながら言った。
「お父さん、ありがとう。ごちそうさま。」


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