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みやさん

写真と物語の融合、写真物語家を夢見ています。 マイペースで更新中。Twitter➪@miya_ayim

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ニマイジタ

15/08/02 コンテスト(テーマ):第八十八回 時空モノガタリ文学賞【 罠 】 コメント:0件 みや 閲覧数:1127

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腹ペコで今にも倒れそうな狼は森の中を歩いている可愛い女の子を見つけ、舌舐めずりをした。

美味そうな女の子だ。馬のふりをして近づいて、あの娘を食べてやろう。
そう考えて狼は、馬のふりをして女の子に近づいた。

「お腹がペコペコで死にそうだよぉ、何か食べ物を分けておくれ」
「あら、お馬さん可哀想に…お婆さんのお見舞いに持って行くマドレーヌを一つ分けてあげるわ」

優しい女の子の言葉に狼は喜んで女の子に手を差し出した。けれどその手には鋭い爪があり、女の子はそれが馬のふりをした狼だとすぐに気が付いた。

「あなた狼ね。私を食べるつもりなのね?ひどいわ…でも私は小さいから食べてもお腹いっぱいにならないわよ。そうだ、良い事を教えてあげる。森に住んでいる私のお婆さん、丸々と太っていてとても美味しそうよ。私みたいに小さくないから、きっとお腹がいっぱいになるわ」

女の子にそう言われて狼は何と言って良いか困った。確かに女の子は小さいから、食べてもすぐお腹が空くだろう。丸々と太ったお婆さんを想像して生唾が出た。

「私も、お婆さんのお見舞いに毎日行かなきゃならないから、ウンザリしてたの。あなたがお婆さんを食べてくれたら、あなたもお腹いっぱいになるし、私もお見舞いに行かなくて済むから、一石二鳥ね!素敵!さあ、早く一緒にお婆さんの家に行きましょう」

女の子は嬉しそうにスキップをしながら歩き始めた。
狼はなんだか複雑な気持ちになった。お婆さん…可哀想に…。可愛い孫にこんな風に思われているなんて、とお婆さんに同情した。
「狼さん、早く行きましょうよ!」
ニコニコと手招きをする女の子に狼は叫んだ。

「死んでもお婆さんを食ってやるもんか!」

狼はそう叫んで走り去った。それを見届けた女の子は、あぁ、良かった…と胸を撫で下ろして急いでお婆さんの家に向かった。


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