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特集『人間〜地球という名のサル山で〜』

15/05/31 コンテスト(テーマ):第八十五回 時空モノガタリ文学賞 【 動物園 】 コメント:2件 るうね 閲覧数:919

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 今回の『ダーウィンが来るかもしれない』の舞台は地球。
 そこには人間という奇妙な生き物が住んでいます。
 二本の足に二本の手。頭はたった一つしかないんです。目は二つで、種類によって青だったり黒だったり。肌の色は白いものもいれば、黒いものもいます。不思議なことに、この色によって人間の世界における地位が高くなったり低くなったりするんですね。
 また、人間はお札という紙切れやコインと呼ばれる金属の塊を、食物以上に大切にしているんです。不思議でしょう? そしてそのお札やコインを使って、資源を手に入れ、ミサイルや戦闘機というものを作ります。このミサイルや戦闘機は、同じ人間を殺す目的のためだけに作られたものです。このようなことをする動物は人間だけです。人間特有の習性と言えるでしょう。
 人間の世界には明確なボスがいません。それぞれの地域にそれぞれのリーダーがいます。
『ちょっと待った!』
 おや、なんです? 鼻毛じい。
『リーダーがいっぱいいたら、統制が取れないじゃないですか。喧嘩になったりしないんですか?』
 いいところに気がつきましたね。
 人間は喧嘩が大好きですが、リーダー同士が争うことはできるだけ避けようとします。もしそうなると、人間が滅びかねないからです。
『滅びかねないって、要はただの喧嘩でしょう? ただの喧嘩なのに種が滅びるまで続けるなんて、人間は馬鹿なんですか?』
 そのことに関しては後ほど実験してみましょう。
 さて、人間の世界にもいちおうボスらしき存在はいます。それは、アメリカという地域に住むオバマという人間。お札やコイン、資源、そしてミサイルや戦闘機がアメリカという地域にはたくさんあるため、人間の世界のボスは、いちおうアメリカのリーダーということになっているのです。
 そのボスの座を虎視眈々と狙っているのが、中国という地域のリーダー、シュウ。強引に他の地域の縄張りを奪って、自分たちの縄張りを広げようとしている野蛮な人間です。今でこそ、オバマに恭順の姿勢を示していますが、自分たちの方が強くなったと確信したら、すぐにでもボスの座を奪いにかかるでしょう。
 その二つの地域に挟まれた位置に、小さな日本という地域があります。ここのリーダーであるアベは、オバマにべったり。仰向けになって、腹を見せています。人間には尻尾がありませんが、尻尾があれば振っていることでしょう。
 同じく、アメリカと中国に挟まれた韓国という地域のリーダー、パクという人間の雌は、シュウにおもねるか、それともオバマに付くかで悩んでいるようです。ですが、オバマもシュウも、まともに相手にはしていないようですね。雌としての魅力がないんでしょうか。
 ここで、ちょっとした実験をしてみましょう。
 日本の近くに天然ガス田を置いてみます。天然ガス、というのは資源の一つですね。人間の大好きなものです。
 おや、さっそく中国のシュウが天然ガス田の周囲に縄張りを主張し始めました。対して、日本のアベは出足が鈍い。どうやらボスのオバマの意向をうかがわないと何もできないようですね。あ、ようやくオバマのお墨付きをもらったようです。キーキーキーキーとシュウとやり合っています。韓国のパクも何か言っているようですが、シュウもアベも完全に無視しています。
 おっと、ここでロシアという地域のリーダー、プーチンがくちばしを挟んできました。人間にはくちばしがありませんが。どうやらシュウの味方をしに来たようです。これはアベと言うより、その後ろ盾であるボスのオバマを意識しての行動でしょう。
 そのプーチンの行動に反発したのか、ドイツやフランスといった地域がひとかたまりになったEUという地域の人間たちが騒ぎ始めました。が、全く統制が取れていません。イギリスやギリシャという地域の人間はEUを抜けたがっているようです。
 あっ、ついにシュウが日本に向けてミサイルを発射しました。アベはされるがままです。まだオバマからどう対処すればいいのか指示がないのでしょう。必死で助けを求めていますが、オバマの方もシュウとプーチンの双方を相手取るのは避けたいのか、思いのほか弱腰です。図に乗って、シュウとプーチンは縄張りを広げていきます。ついに、オバマも重い腰を上げました。アベと協力して、シュウとプーチンと戦い始めます。その戦いは、あっという間に地球全体に拡大。その巻きぞえで、パクは韓国とともに滅んでしまいました。
 いやぁ、大変なことになりました。資源一つ置いただけで、地球は大混乱。他の動物の方が、よほど統制が取れていますね。
 おや、何か小さくキーキーという鳴き声が聞こえます。なんでしょうか。
 あ、あそこに弱いくせに気ばかり強くて、誰にも相手にされなくなっている孤独な人間がいます。あれは北朝鮮という地域の……。


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このストーリーに関するコメント

15/06/30 光石七

拝読しました。
動物ドキュメンタリー風に今の世界情勢を皮肉っておられ、とても面白かったです。
各国首脳の名前をそのまま使う思い切りの良さが小気味良く、いかにもそうなりそうな展開に笑ってしまいました。現実に起こったら笑い話では済まないでしょうが。
楽しませていただきました。

15/06/30 るうね

るうねです。
コメント、ありがとうございます。

まあ、何と言いますか、もし人間より高次の存在がいたら、こんな風に皮肉られる番組を作られても仕方ないかな、と。
実名を使うかどうかは迷いましたが、使わないとパンチが弱くなるので、消される覚悟で使うことにしました。さすがに、入賞は無理でしょうけど……。
お読みいただき、ありがとうございました。

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