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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

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海からの授かりもの

15/04/21 コンテスト(テーマ):第八十二回 時空モノガタリ文学賞 【 海 】 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1297

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 むかしむかし、ある村に、としさんと、はつこさんという仲の良い夫婦がおった。
 二人は、なかなか子どもを授からなかった。いつか、二人の子どもを、この腕に抱きてぇなぁ・・・と、としさんもはつこさんも、心から願っとった。

 ある日、としさん夫婦の家に、髪の長いきれいな女の人が、たずねてきた。
 その女の人は、
「あなた方は、子どもがほしいと願っているようですね。これから言うことをよくきいて、その通りにすれば、子どもが、あなた方のところにやってきますよ。」
と言って、次のような話をした。

「まず、できるだけ大きな羽衣をつくりなさい。そして、隣村の海に行ってくるのです。
 海に、羽衣をかぶせたら、きっとあなた方のもとに、子どもがやってきますよ。」

 そして、話し終えると、その女の人は、静かに去って行った。

 はつこさんは、半信半疑だったけれども、機織り機で、羽衣を織りはじめた。
 
 パタンパタン  パタンパタン

 何日も何日も、心をこめて、はつこさんは、羽衣を織った。
 としさんも、はつこさんが体をこわさないように、いのししや、鹿を狩ってきては、ごちそうした。

 一か月がすぎた。
 はつこさんの手には、きれいな羽衣ができあがっていた。

 としさんとはつこさんは、羽衣をかかえて、隣村の海に行った。

 波はゴーゴーと荒れ狂っている。

 としさんが、羽衣をぱーっと広げて海にかぶせた。
 すると、みるみるうちに波がもちあがり、羽衣をまとった海の女神さまが、天にのぼっていく。

 海と空が、羽衣でつながった。

 お日さまが、キラッと光ったと思うと、はつこさんの腕には、かわいらしい女の赤ちゃんがいた。
「あーん、あーん。」
 元気な声で泣いている。

「まぁ、かわいい。」

 海は、静かで、波がキラキラと輝いている。

 としさんとはつこさんは、この女の子は、海からの授かりものだと思った。
 海のように、広い心をもったやさしい女の子になってほしいと、願いを込めて、
「広海(ひろみ)」と名付けた。

 そして、親子三人、ずっと仲良く暮らしたんだとさ。


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