1. トップページ
  2. 逆さま天使

k.k.さん

東京出身のかす。 ボカロが好き。 sasakure.UKとDECO27が好き。

性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの作品

1

逆さま天使

14/08/07 コンテスト(テーマ):第六十三回 時空モノガタリ文学賞【 告白 】 コメント:1件 k.k. 閲覧数:663

この作品を評価する

 その女性は、マリアといいました。とても清らかな、美しい人でした。
 たまたま側を通ったとき、私はその女性に、一目惚れをしました。初めての恋でした。
 ただその女性は、私のことが見えていないようでした。
 私が、悪魔だったからです。
 見えない方がいい。
 最初は辛かったのですが、時間がすぎるたび、そう思うようになりました。なぜなら、私が酷く醜かったからです。

 マリアの元に、毎日のように通いました。美しいマリアは、私の汚い心を、浄化させてくれるようでした。私は、マリアに救いを求めていたのです。
 生まれながらに悪魔だったのか、それとも、なるべくして悪魔になったのか、それは覚えていません。ただ、マリアの側に行く度に、私の心が邪悪なことを思い知ったのでした。
 マリアは処女でした。男と手を繋いだことも無いようでした。私は、そんな清らかなマリアに、どんどん惹かれていきました。

 ある日、マリアは妊娠しました。依然として処女だったのですが、突然、妊娠したのです。
 私は悲しくなりました。マリアが、神の子を授かったと、瞬時に理解したからです。
 マリアは、元気な男の子を生みました。これでめでたく、マリアは聖母になってしまいました。
 私は悪魔です。本当の意味で清らかになってしまったマリアに、近づくこともできなくなりました。
 ですが、良いこともありました。マリアに、私が見えるようになったのです。
 飛び上がるほど喜びました。これでやっと、マリアと対等になった気分でした。

 マリアの息子は、次々と奇跡を起こしていきました。彼は、大きく広い心と、博愛という強い武器を持って、人々を救っていきました。
 私はふと、マリアやその息子に、浄化させてもらえたらどうだろうと、考えるようになりました。もうこんなに醜いのは嫌でした。せっかくマリアに見てもらえるようになったのに、近づけないのも嫌でした。
 私はすぐに、マリアのもとへ行きました。最初は敵と勘違いされ、大変な目にあいました。でもめげずに、私が天使になりたいことを伝えました。そして、マリアが人だったころから、マリアのことを愛していたことも、伝えました。慈悲深いマリアは、私のことを理解し、私を天使にしてくれました。私はたいへん美しくなりました。

 私の恋は、勿論叶いませんでした。でも、今はマリアの側にいれて、とても幸せです。天使が堕ちれるように、悪魔もまた、堕ちることが出来るのです。
 さて、私の告白はここまでです。今悪魔をしているあなた、私のように、堕天使になりませんか?


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

14/08/10 夏日 純希

自称邪悪な悪魔さんですが、とても純粋ですね。
天使になったのも、マリアの優しさからだけではなかったのでしょう。

ログイン
アドセンス