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染井 ヨシノさん

高校では美術部に所属しています。よく短文のポエムなどを考えて、自分で挿し絵を描いて楽しんでます♪短文では恋愛小説を書くのが一番書きやすいので、なかなか長文を書いたことがないし、続きません。私の通う高校が水産関係なので、学んだことを取り入れた小説が書けたらなぁ…って考えてます。最近は、猫にはまって写真をとっているので、動物視点の作品もおもしろいかも…と奮闘中です!初心者ですが、感想など頂けるとありがたいです!!暖かい心でよろしくお願いします!

性別 女性
将来の夢 まだ未定?
座右の銘 明日に期待するなら 今日を必死に生きなさい

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裂けて、避けて、咲けた

14/04/18 コンテスト(テーマ):第五十五回 時空モノガタリ文学賞【 予感 】 コメント:0件 染井 ヨシノ 閲覧数:858

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きっと、あの時から、芽はひっそりと顔をのぞかせていたのだろう。


新学期の席替えをきっかけに、私は彼とよく話すようになった。意外にも、同じクラスなのに会話を交わしたのはこの時からだ。どんな会話から始まったのかはもう覚えていないが、彼の第一印象だけははっきりと残っている。
「綺麗な名前だね。」
彼に名前を教えてもらった時、おもわず口からこぼれたくらいそうだと思った。そんなことないよと遠慮がちに笑った彼に、親しみを感じて、私はよく関わるようになっていった。

仲良くなるうちに、アドレスとLINEの交換をした。
交換してから間もないときは、かなりの頻度でやり取りをしていたと思う。ゲームの話、友達の話、恋愛について…。どちらかというと、異性というよりは女の子に接するのと同じような内容のやり取りばかり。思い出すと、なかなか恥ずかしいことを言っていた気がする。
でも、彼は男らしいというよりはかわいい人と感じていたから、友達に話すようになっていてもしかたない。
彼の笑顔にも、ただ癒されていた。
友達の中でも一緒にいて楽しいと思ったくらいに。


だからこそ、不思議なことがある。
私が彼に惹かれたこと。
同性と同じように見ていた彼を、いつの間にか異性として意識していたのだ。友達に対する感情だったのが、恋愛感情に変わっていた。それがいつからなのかは分からないが、彼の名前を聞いただけで顔が真っ赤になるほど重症なよう。
私が最初に思った「綺麗な名前」が、「かっこいい名前」に変わったのだから、もうこの気持ちは紛れもなく恋なんだと思う。
自覚してからは、あっという間に月日は流れた。
休み時間の度に彼の席まで話に行く。
少しずつ、少しずつ募っていく感情。
メール等でのやりとりは少なくなったが、それでも彼に対する想いは大きく育った。
友達でいたくないと、初めて思ったほど。
それほど、彼を好きなのだと実感していた。
恋愛に無縁だったせいか、告白する勇気なんて微塵もなく、毎日悩んだ末に、諦めようと後ろ向きに考えたりした。
しかし、そんな時に予知できない行動をしたのがマイペースな友達だった。
私の携帯から彼にメッセージを送ったのだ。
明らかに他人が打ったとわかる文面は、私の気持ちそのもの。
相手も私なのか疑って、返事が遅い。
この時の焦りは、今期最大のものだった。
家に帰ってから慌てて弁解しようと携帯を起動させる。
さっきのは友達が打った。私じゃない、と。
でも、打つのと同時にこのままでいいのかと、考え直した。諦めようとしていた私にとって、今がいいタイミングなんじゃないのかと。
そこで、ダメ元で素直に伝えてみた。
ただ、彼は鈍感でなかなか伝わらない。直球で言葉を投げると、やっと伝わった。恥ずかしくて泣きそうだった。
だけど、彼の返事を聞いて涙が溢れた。
今まで悩んだことが馬鹿馬鹿しいと思うほど、あっさりした答えだったから。

あの時芽生えた感情が、やっと咲けた瞬間。
あの時の私からしたら、まさかの出来事。
だけど確かに感じていた。


芽生え、裂けて、避けて、そして咲けた。



あれは、きっと今日この日の幸せの予感だったのだろう。





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