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ゆえさん

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携帯電話禁止法案〜昭和を取り戻そう!!〜

14/01/26 コンテスト(テーマ):第四十八回 時空モノガタリ文学賞【 昭和 】 コメント:2件 ゆえ 閲覧数:914

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西暦20XX年、日本は危険な状況に陥った。女性の男性化が進み、子孫繁栄が危ぶまれたからだ。社会に出て活躍する女性が増え、主夫の増加により、少子化が進んだ。
今では、出産して仕事のタイムロスが出るのであれば子供なんて・・と考える女性が増加している。

そこで政府が考え出したのが「携帯電話禁止法」だった。
どこでも気軽に相手の時間や都合を考えず、本能のままに話をしているので言葉づかいが悪くなり、荒々しくなるのであれば、そこを無くせば本来の「ヤマトナデシコ」を取り戻せるのではないか?と言った古い人間の考えた法律だった。

「民間人の携帯電話の利用を禁ず。もし破った者には罰則として懲役50年、もしくは1000万円以下の罰金」

急にそんなニュースが流れた。

「・・・何これ?」
京子がいつも通り、浩介が作った朝食を食べながら新聞片手にニュースを見ているとTVから女性アナウンサーが険しい顔で朝の穏やかな空気を凍らせた。
「あれ?京子昨日の夜、出し巻き卵、甘めがいいって話してなかった?」浩介は水色のエプロンをしながら首をかしげた。
「出し巻きは甘いのでいいんだけど、このニュース・・・。」茫然とする京子。
このご時世、携帯なしなんて考えれない。茫然と見ているとTVの中のアナウンサーが淡々と告げる。

「なお、皆様の携帯電話は本日10時を持ちまして電波の提供が終了致します。このような事が急に決まるとは、いかなる事でしょうか・・・。」と険しい顔をしてCMが流れた。

慌ただしく身支度を済ませて、浩介が見送る。
「今日も遅くなりそう?」
「うん、でも夕飯は家で食べたいかな・・。あったかくてさっぱりしたやつ。」
「わかった。じゃぁ、いってらっしゃい」と京子の頬にキスをする。
「はい、行ってきます」と足早に家を出た。


その日は10時を過ぎると日本中が大混乱を招いた。
今まで、携帯電話で気軽に連絡が取れていたが、10時を過ぎたらただの電子手帳へとかわったからだ。
少し遅れるといった気軽な連絡はとれず、メール機能すら動かない。

一日終わると京子は憔悴しきっていた。たかが携帯電話、されど携帯電話だった。

帰りも浩介に連絡をしようとしても、携帯が繋がらない。
家に電話しようにも、公衆電話は長蛇の列だった。

「ただいま〜・・・」
疲れ切った京子が玄関に入ると浩介がキッチンからいそいそと出てきた。
「お帰り、京子。今日も一日、御苦労さま。お風呂、京子の好きな入浴剤入れてあるよ。
先に入る?あ、それともご飯が先?」
京子はよくできた主夫を自慢に思った。「ご飯にする・・・」と告げた。

「了解。今日は京子が疲れてそうだったから、ポトフにしたよ。あと、パンも焼いたからね〜」とキッチンへ行くと、テーブルに料理が並ぶ。
京子は着替えて、食卓へ着くと、TVをつけてニュースを流しながら今日の事を浩介に話した。

「・・・こんな感じで本当に大変だったんだから・・」と言ってビールを飲む。
その姿をいつもより微笑みながら見る浩介。

「・・・なに?浩介どうしたの?」

「いや・・・、いつもなら京子、ご飯食べてる時でも仕事の電話とか、メールとかするから邪魔したら悪いなって思ってたけど、今日はちゃんと僕と一緒にいるなって感じがして嬉しいんだよね。」


仕事が楽しくて、没頭していた京子にとって、浩介がそんな考えを持っている事には気がつかなかった。
確かに、いつも家に帰ってきても携帯に仕事の連絡が入る。ひどい時にはご飯を食べながら書類作成をしていた事もあった。
そう考えると、さすがに自宅の電話にまで仕事の連絡をしてくる事はないので、浩介とゆっくりとした時間を過ごせているのは確かだった。


「・・確かに。浩介、ごめんね。」と告げて、浩介の手を取った。




「総理、この法案は上手くいくのでしょうか?国民から批判の声も出ておりますが・・・」
秘書の大川が心配そうに総理を見つめた。
「何、心配する事はない。女性には母性本能って物もある。家で待っている者がいるって自覚があれば、家庭を大事にする心を取り戻し愛しくも思うさ。家族のスキンシップの時間も増えれば子供だって作る人も増えるだろう。安直かもしれないが、我々が過ごした昭和の時代を思い出してみなさい。あの時代のような生活へ戻せば人と人との繋がりの大切さも思い出すものだ。」

「そうなればいいのですが・・・」

その翌年から、育児休暇を取る女性が急増し、社会的に打撃をうける事を総理は考えていなかった。


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このストーリーに関するコメント

14/01/30 クナリ

ちょっといい話、で終わるかと思いきや、最後の一行がすばらしいですね(^^;)。
こんなんたまらんなー、ああでも悪くないかなー、などと、泣いたり笑ったりしながら主人公たちの生活もつむがれていくのでしょう。
面白かったです。

14/03/21 ゆえ

クナリさん

コメント有難うございます。
実際に適用されたら、とんでもない話ですよね。
昭和のタイトルでパッと浮かんだのが携帯ってなかったよね・・。って考えだったので、そのまま四苦八苦しながら書きました。
楽しんで頂けてよかったです(*^_^*)

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