1. トップページ
  2. はるきとかいと

こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
座右の銘 しあわせはいつも自分の心がきめる

投稿済みの作品

1

はるきとかいと

14/01/03 コンテスト(テーマ):第四十七回 時空モノガタリ文学賞【 再会 】 コメント:2件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1257

この作品を評価する

 ぼくは、山本はるき。今年から高校一年生だ。
 ぼくは、人見知りするタイプだから、誰か友達になれるような子が一人でもみつかるといいけど・・・と不安の方が大きかった。
 教室に行くと、他の中学から来たクラスメートがたくさんいて、ちょっと圧倒された。
  
 はじめてのホームルームで、先生が出席をとっていった。クラスメートの名前を呼んでいく。ふと、聞き覚えのある名前が耳に入ってきた。

 東野かいとくん。

 東野かいと、どこかで聞いた名前だ。振り返って返事をしている彼の顔を見る。
 見覚えがある。そうだ!小学校の頃、仲良しだった、かいとだ。五年生の時、引っ越して行って、それきり会えなくなっていた。

 かいとは、髪の毛を茶色に染めて、ダボダボのズボンを腰パンにしてはいていた。
 でも、あのくりっとした目は、変わっていない。かいとだ。

 はるきは、なつかしいと思う反面、あんな不良になってしまっているかいとには、近づきたくないと思った。
 かいとも、はるきのそんな気持ちを察しているかのように、はるきを避けていた。

 ある日、かいとが、いじめられている子をかばっていたのに、一部のクラスメートに相手を殴ったというぬれぎぬをきせられ、そのことを注意した先生に殴りかかって暴れたとして、停学処分になってしまった。

 はるきは、そのとき初めて、(あいつと話したい。)と、思った。

 小学校の頃、人見知りのはげしいぼくに、はじめて声をかけてくれたのが、かいとだった。引っ込み思案で、こわがりのぼくを、かいとは無邪気な笑顔でひっぱっていってくれたんだ。

 はるきは、学校帰りに、かいとを呼びとめた。
「なぁ、かいとって、ぼくと、小学校一緒だっただろ?」

 かいとは、
「ふっ。」
と下を向いて笑うと言った。
「やっと、声をかけてきたな。おれ、おまえが声をかけてくれるのを待ってたんだぜ。」

 はるきは今までずっと、かいとを避けてきたことを後悔した。

 はるきは、聞く。
「かいと、これからどうするんだ?」

 かいとは、肩をすくめて、両手を広げると、
「風の向くまま、気の向くままさ。じゃぁな。」
と言うと、くるっと背中を向けてかけだして行った。

 はるきは、
「かいとは、変わらないな。」
と、つぶやくと、じっと、かいとの背中を見送った。

 夕焼け空が、やさしく二人を包んでいた。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

14/01/04 泡沫恋歌

こぐまじゅんこさん。

新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

小学校以来、高校で再会したはるきとかいと、
お互いの変化の驚いたことでしょう。

かいとくんはなぜ不良になっちゃったんでしょうか?
また良い子に戻れるとイイね。

14/01/05 こぐまじゅんこ

泡沫恋歌さま。

明けましておめでとうございます。
昨年の暮れに孫が生まれまして、バタバタしながら考えたお話です。

今年もよろしくお願います。

ログイン