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光るビルと笑う塩きゃべつ

12/05/14 コンテスト(テーマ):第六回 時空モノガタリ文学賞【 週末に。とんかつ伊勢 新宿NSビル店のモノガタリ 】 コメント:1件 左足の小指 閲覧数:1958

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新宿NSビルで銀行強盗をする・・途中までは、うまくいったが、男は、エレベターでミスをした。
下に降り、人ごみにまぎれて逃げる計画だったのに29階までの直通エレベターに乗ってしまっい、引き返そうにも、45秒で着いてしまった。
下には、今頃、パトカーが向かってる、もう、立てこもりしかない!
どうせ、立てこもるなら、ここがいい。男はとんかつ伊勢ののれんをくぐった。

「静かにしろ」静まりかえる店内を想像していたが「乾杯〜」「かつ丼3兄弟とロース生が焼きと銘柄豚四元豚シルキーポーク上ロースかつと色々試せる利き酒セット!」店内は、満席「うまい!」「おいしいわ〜」
男の声など、厨房でジューと肉のうまみが閉じこまれる音にかき消され、とんかつのサクサクという音だけが、店内をかけめぐって行くのだった。

男の近くのテーブルの客、男4人がいっせいに立ち上がった。
「座ってろ」男は、拳銃を4人にむけた。
「兄ちゃん、俺らに言ってるのか?」
男が見上げると、男達は4人とも身長190前後のへービー級、気の利いた店員が助けに入る。
「お会計ですね」4人をレジに、男を空いた席に、男は、よほど恐かったのか震えがまだ止らない様子だ。

「へぇ、強盗したんですか?で、かばんの中身はいくらだったんです?」
男は、さっきの店員に銀行の支店長らしき人物から、受け取ったかばんの話をしていた。「1万円」
男は、脇に抱えた黒いかばんをひっくり返した。
白い紙の札束が沢山出てきた「かばんの口から見える札束の上だけが本物の千円札で10枚」

「では、こちらなどいかがでしょう」メニューを店員が差し出すと
「いいの?通報しないの」
「銀行の方でしてらっしゃると思いますから」

「さっき、騒いでたお客様どうした?」
「伊勢の超厚ロースかつ定食泣きながら、食べてます」

男と店員の話に聞き耳を立ててる男が一人、男の隣でおろしひれかつ定食を食べ、黒豚冷しゃぶを頼み、今月のおすすめ焼酎を飲んでいたが、食べ終えると、強盗をしたという男の前に行き「俺は警官だ。貴様を逮捕する」
と言った。

男は、素直に警官の後をついて行く・・さっきの店員の前を通る時、深くお辞儀をして
「とてもおいしかったです。代金は、かばんのお金を使って下さい」
「まって、下さい、これ、お釣りです。また、いらっしゃって下さい。お待ちしておりますから」
男は、また深くお辞儀をして出ていった。

「酒を飲んでたそうじゃないか!」
「こいつが」
「こいつじゃない、一般の何もしていらっしゃらない方を逮捕するなんて、どういう事だ許させる事じゃないぞ」
「銀行強盗・・」
「どこの銀行からも届けは出ておらん」
「拳銃が・・」
「100均で売ってあるおもちゃだ、こんなモンで逮捕するなんて、ほら、謝れ」
「すみませんでした。我々で何か、お役に立てる事があれば、是非、させて下さい」

「あの、二ヶ月程、無職なんです。仕事を紹介してくれませんか」
「責任を持って、引き受けさせていただきます」

その頃、新宿NSビルの銀行では、システム変更の手続きに追われていた行員達から
「終わった〜」の声
「みんな、よくやってくれたこの時間までに終われば、スムーズな開始が出来るぞ」

「ところで、支店長、昼間の強盗、届けを出さなくてもいいんですか?」
「銀行の金なら届けないといけないが、あれは私が、防犯用に個人で用意していた物だし、あれはああいう風に使えばいいと思っていたんだから、いいんだよ」
奥の方から別の行員の声「ああ、腹減った〜」

「よし29階のとんかつ伊勢に電話してくれ、みんな伊勢コースでいいか。何人行くんだ。おごるぞ〜」




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このストーリーに関するコメント

12/05/15 かめかめ

なんと懐の広い支店長…

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