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ゆえさん

思いつくままに書いてますので、もし宜しければ感想お願いします!!

性別 女性
将来の夢
座右の銘 袖触れ合うも多少の縁

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あったかいミルクティー

13/10/21 コンテスト(テーマ):第四十一回 時空モノガタリ文学賞【 恋愛 】 コメント:11件 ゆえ 閲覧数:1405

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「由香、チョイ真面目な話。」
いつもの帰り道、寒空の下、今日の部活の木下先生の指導と称したイビリの愚痴を聞いていた悟が遮った。

「何?悟もなんかやられた?」
と勢いよく聞き返すと悟は首を横に振り、何かを整えるように息を吐いた。
悟の口から吐き出された息は、寒い空気に触れて白い筋になって、寒い空に消えていった。いつも、二人で冗談ばかり言い合うから、その沈黙が重く感じた。
こうなると見かけとは違って強情な悟は、由香がちゃんと聞く体制が整うまでいつまでも無言で見つめる。それを由香は察して、悟を見据えた。
部活で焼けた顔。自分よりか大きい背と、大きな手。少しくせっ毛なふわふわした髪。大きくて奥二重な瞳。通った鼻筋。薄い唇。大会とかで他校の女子から騒がれるのもわからなくはない。そんな悟が今、見つめているのは私だ。少し緊張する。
そんな気持ちをごまかして「で、どうしたの?」と聞いた。「おれ・・さ・・」と言って俯く悟。普段みない悟の頭を眺める。ふわふわした髪の毛が肌をさす風に揺れる。触ってみたいな〜と思い、手を伸ばすと悟が顔をあげた。

「おれ、由香の事が好きだ。付き合って下さい。」

思いもよらなかった告白に、体中の血液が走りだすのがわかった。顔が熱くなる。心臓が100Mを全力で走りぬけた時と同じぐらいドキドキしてる。
胸のドキドキに邪魔されながらも、なんとか言葉を絞り出した「あたしも・・・悟が好き」言葉に出すと、少し涙が出た。悟は「やった!本当に?嘘じゃないよな!」とガッツポーズを取りながら確認するといきなり抱きしめられた。
「マジで・・・超嬉しい・・・由香・・・」と力強く抱きしめる。初めての告白、その相手からの包容で、もう、どうしたらいいか分からない。ただ嬉しいやら恥ずかしいやらで、困って顔をあげると悟の顔は目の前だった。
今までに見た事のない距離で、見た事のない顔をした悟が別人に見える。
「由香・・・」と悟がそっと背中に回した手を顔に当てた。
「悟・・・」と呟いて目を閉じた・・・。

「おい!由香!部活始まるぞ!」と声をかけられた。目を開くといつもの教室で、帰りのHRは既に終わっていてジャージに着替えた悟がいる。「ん??」と寝ぼけている私を見て「お前、寝起きの顔やばいな。超うける!」と言うや否やスマホのシャッターが鳴った。「ちょっと悟、そのスマホ貸しな!」と椅子から立つ。「グランドまでに追いついたら返してやるよ。早く来いよ!」と笑顔で走り出す悟。その笑顔がさっきまで見ていた夢を思い出ださせた。少し、心臓が高鳴る。「待て!」と負けずと走り出した。結局、追いつけないどころか寝起きの顔を部員全員にお披露目され、おまけに授業中寝ていた罰としてハードルの片付け迄押し付けられ、片付けが終わる頃には辺りは暗くなっていた。

「寒い・・」と呟きながら校門を出ると「お、やっと終わった?」と首謀者の悟が立っていた。「あんたのせいでこんな目に・・」と怒る私の言葉を遮るように温かい缶のミルクティーが飛んできた。「流石に悪いと思ってさ。」と笑いながら言う。
夢の悟の顔だった。心臓が凄い早さで鼓動を打つ。自分の顔が赤くなるのがわかる。「これで済ませれると思ってんの?」と言うと、「お前それ好きだろ?それ知ってるおれに免じて許して。」と歩き出した。まるっきり、夢と同じシュチュエーション。寒い空の下。一つ違うのは、私が悟を意識してるって事。

「由香さぁ、何の夢見てた訳?超ニヤニヤしててマジ受けたんだけど。」と聞かれ飲んでたミルクティーを吹き出しそうになる。「べ、べつに・・」とだけ返すも「大体、お前寝すぎだろ?いっつも眉間に皺寄せて寝てんのに今日はニヤニヤしてるから気になるじゃん。」と返してくる悟。どうしても気になるようだ。悟に告白されて喜んでましたなんて言える訳ないじゃん。
「ん〜、まぁいい夢かな」とだけ返していつも通り軽口を叩きながら駅に着いた。
ホームで電車を待っている間も悟は気になるようで少し考えこむと「あ、!」と悟が閃いた!といった顔で言った。「まさか、誰かに告白される夢とか?」その声に思わず「え?」と動揺してしまった。「その顔、当たりだな。誰だよ〜?え?まさか・・俺だったりして・・」とにやけ顔で言ってきた。その顔に腹が立ってしまった。

「そうだよ。悟に告白された夢見てニヤニヤしてましたよ!第一、悟だって人の寝顔いつも見てるって・・。悟こそ、あたしの事好きなんじゃないの?!」と勢い任せに言って、ちょうど来た電車に飛び乗る。振り返ると真赤な顔であたしを見ている悟がいた。
「由香、それ反則」と悟の呟きが聞こえて電車のドアが閉まった。

ホームには赤い顔をした悟が見える。
きっと、私の顔も赤い。
離れていく距離と比例して私の心臓は壊れそうなぐらい鳴っていた。


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このストーリーに関するコメント

13/10/22 リードマン

よかったぁ・・・由香いう名前には覚えがありません。純粋に楽しめました。悟という名は私の親友の名前に近いですから、信頼出来ますね。彼は、測定するタイプのヒトですので、私と組むと無敵のタッグになるのですよw

忘れて下さい

13/10/22 リードマン

私のような独占欲の強い人間はどうしても初恋という言葉に惹かれてしまうものなのですが、愛情とは二人で様々な快楽を経験しながら、じっくりと育んでいくものではないのかと考えます。なのでそれまでの恋の思い出達が無駄になってしまうような事はありえないのだと叫びます

・・・うう、今、顔が赤くなっていますw

13/10/23 ゆえ

リードマンさん

コメント、ありがとうございます。
楽しんでもらえて良かったです。
ちなみに、私の生み出した悟は好きな子には素直になれないタイプかなと。
でも、思春期の男子はそうなのかなと思いますが。

きっと、由香と悟は次の日の朝、電車で顔を合わせて顔が赤くなってると思います。
リードマンさんの愛情の考え方、解ります。
やっぱり、お互いが酔いしれて育んでいくモノなんでしょうね。

13/10/23 リードマン

私の親友はとても機械的な人間なのです。ハッキリと言ってしまうのであれば、生き物との接触が苦手なのです。機械とならば、対話さえ可能な人物なのですが・・・幸福になって欲しいと思っています。由香さんのような女性との出会いがあればいいのですが・・・

13/10/27 ふぐ屋

拝読いたしました!

胸がキュンっとなりました、可愛らしい、の一言。
初々しいというか、読みながら『あぁ、わかる、意識するよね〜。』なんて一人で呟いてしまったり。
同じような場面でも、お互いが意識をしているかいないかによって結果は全然違う方向に動く、そんな当たり前なようで忘れがちなことを教えてくれる、作品でした!ありがとうございます。

13/10/27 ゆえ

凪沙薫さん

コメントありがとうございます。

正直、ピュアな話を書いたのはほぼ初めてで(苦笑)
途中で何回も本当に大丈夫かな?と考え込んでしまいました。

読んで頂いた方が少しでも学生の頃に味わった甘酸っぱい感じを味わって頂ければと思い書いてみました。

気に入って頂けて良かったです。

13/10/27 ゆえ

リードマンさん

機械的なご友人の方にはきっと由香のような生命力溢れるタイプがお似合いですね。
きっとご友人の方も戸惑われるとは思いますが(笑)
でも、由香のようなタイプだときっとご友人の方は「疲れる」と言われると思います。私の勝手な想像ですが。

13/10/27 ゆえ

ふぐ屋さん

コメントありがとうございます。
キュンとして頂いたなら良かったです。

学生の頃、相手の言葉に一喜一憂していた事を思い出しながら書きました。
そうなんです!片方向だとただ、切ないだけなんですよね。
お互いの思いがあってからこそ!キュンっとするんだと思います!!

13/10/29 リードマン

ですよね〜、いやはや、恋というものは難しい・・・

14/11/05 てんとう虫

こんばんは^^夕方の少し薄暗い帰り道仲のいい2人悟と由香ベタな告白の話かと思っていたら夢落ち なんか読んでるとポリポリと頬掻きたくなるような好きな話でした。このままドラマの1シ−ンですね。悟は由香ちゃんの寝顔みれて喜んでみてたんでしょうね。 甘いミルクティ-と恋愛かけてあるのかなと^^キュ−トな2人です。

14/11/05 てんとう虫

こんばんは^^夕方の少し薄暗い帰り道仲のいい2人悟と由香ベタな告白の話かと思っていたら夢落ち なんか読んでるとポリポリと頬掻きたくなるような好きな話でした。このままドラマの1シ−ンですね。悟は由香ちゃんの寝顔みれて喜んでみてたんでしょうね。 甘いミルクティ-と恋愛かけてあるのかなと^^キュ−トな2人です。

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