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川村 誠さん

初めまして。 僕は楽しく読んだり書いたりしたいだけなんです。 自己紹介ですか。 えーと、5歳の長男と2歳になった双子の次男、三男がいます。親バカですが、子供ってかわいいですねー。 あと、僕は心の病気持ちなので、それが作品に影響することも多いと思いますが、その時はスルーして下さい。 コメントもらえるととても嬉しいです! よろしくお願い致します。

性別 男性
将来の夢 1つでもいいので、自分で納得できる小説を書いてみたい。
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ショートヘアの初恋

13/10/02 コンテスト(テーマ):第四十一回 時空モノガタリ文学賞【 恋愛 】 コメント:1件 川村 誠 閲覧数:1137

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 君は僕には文才があると言って、僕の書いた拙い物語を読んでくれたし、僕が好きな音楽にも興味を持ってくれた。君は言う。広瀬君と一緒にいると、私まで本や音楽に詳しい気持ちになるの。それに広瀬君はとても思慮深い人だし、なんだか一緒にいると落ち着くの。学校からの帰り道、雨上がりの空を眩しそうに眺めながらそう言う君は本当に美しかった。

 僕は本当に方向音痴だったから、放課後、初めてのデートの時に君を迎えに行った時も道に迷ってしまい、約束の時間より30分以上遅れてしまった。「ごめん、僕は本当に方向音痴でさ、道をすぐ間違えちゃうんだ」そう僕が正直に言うと、「じゃあ帰り道は大通りに出るまで送って行ってあげるね」と君は笑って言う。

「でも女の子にそんなことさせられないし、別に門限があるわけでもないから、大丈夫だよ」僕がそう言うと、「ダメ、心配だから。それに、私、髪型がショートだから、案外男の子と間違えられる時があるの。ジーンズとスニーカーとかでいけば大丈夫。広瀬君と散歩できると思えばちょうどいいよ。そのかわり、いつもみたいに何か話を聞かせてね」そう言って君は笑った。

 僕とは全く不釣り合いで、こうして一緒に歩いているだけでも物怖じしてしまうくらいだった。君はこんなにも魅力的なのに、僕は冴えない猫背。劣等感の塊だった僕は君と目を合わせるのも恥ずかしいくらいだった。その時、広瀬君って顔もカワイイよ。君はそう言ってニッコリ笑ってくれた。本当だったら、『君だって素敵さ。ショートヘアがとても良く似合うよ。ショートヘアが似合う女性は、美人なんだ』僕はそう言いたかったけれど、恥ずかしくて、とても言葉にできなかった。そのかわりに、僕はベン・ホールズ・ファイブのファーストアルバムの話をした。冴えない男がピアノを打楽器みたいに弾いていたと思ったら、突然曲が切ない美しいメロディになったりするんだよ。そう説明して、CDを貸す約束をした。

 僕は君のことが本当に好きで、あの頃は一日中君のことを考えているだけで良かった。

 暑い夏が終わりかけた頃、僕らは茜色の夕暮れ時に公園のベンチに座っていた。広瀬君って本当に子供ね。さよなら。私、引っ越すことになったの。僕は何も言えなかった。そうなんだ、引っ越すんだ。

 僕は本当に極端な方向音痴だからさ、君まで見失ってしまったよ。
 恋人になりたかった友達よ。
 どうしてますか?

(了)


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このストーリーに関するコメント

13/10/12 川村 誠

凪沙薫さま、こちらにもコメント頂いたのですね、ありがとうございます! ベン・フォールズ・ファイブの曲ですが、僕がイメージしたのは、「ビデオ」です。フィロソフィーも、すっごくいい曲ですよね。今でも好きなアルバムです。こちらこそ、これからもよろしくお願いします!ありがとうございました!

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