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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

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柿くらべ

13/08/21 コンテスト(テーマ):第三十八回 時空モノガタリ文学賞【 ライバル 】 コメント:3件 こぐまじゅんこ 閲覧数:1520

時空モノガタリからの選評

最終選考

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 むかしむかし、柿が大好きなお殿様が、
「おいしい柿を作ってくれた者には、ほうびに米俵一俵をさずける」
と、おふれをだしました。
 村のやさしいおじいさんは、
「お殿様に、体にやさしいおいしい柿を食べてもらおう。」
と言って、農薬を使わずに柿を育てはじめました。

 となりのじいさんも、それを聞いて、
「よし、わしも柿を作ろう。」
と、農薬をたっぷり使って、ぐんぐん柿の木を育てていきました。

 やがて、柿の木が大きく育ち、となりのじいさんの柿の木には、柿がたわわに実りました。
 やさしいおじいさんの柿の木には、ちょっとしか柿の実はなりませんでした。

 ある日、お殿様が、村を通りかかったので、となりのじいさんは、お殿様に柿をさしだしました。
「やぁ、見事な柿じゃのう。米俵一俵をさずけよう。」

 となりのじいさんは、大喜びです。

 やさしいじいさんは、となりのじいさんに言いました。
「お殿様が喜んでくれてよかったのう。わしも、がんばって柿を育てよう。」

 となりのじいさんは、笑います。
「薬を使わんで、おいしい柿なんかできるもんか。」

 それから、三年がたちました。
 となりのじいさんの柿の木は農薬を使いすぎて、だんだん枯れてきて、とうとう今年は
ひとつも柿の実をつけませんでした。
 それなのに、やさしいじいさんの柿の木は、青々と茂り、柿の実が枝いっぱいに実ったのです。
 となりのじいさんは、やさしいじいさんに、
「くそー、今年はお殿様にほうびをもらえねぇ。」
と、ぐちぐち文句を言っていました。
 やさしいじいさんは、
「じゃぁ、わしの柿を半分あげるから、お殿様にさしあげるといいよ。」
と言いました。

 今年もお殿様が村を通りかかったので、やさしいじいさんは、柿をさしあげました。
となりのじいさんも、やさしいじいさんにもらった柿を、おそるおそるさしだしました。

 すると、柿を食べたお殿様は、
「これは、甲乙つけがたい。どちらもみごとな出来栄えじゃ。これからは、二人で力を合わせて柿作りに励めよ。」
と、米俵十俵さずけて帰って行きました。

 それから、やさしいじいさんととなりのじいさんは、二人でなかよく柿を作ったとさ。


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このストーリーに関するコメント

13/08/21 泡沫恋歌

こぐまじゅんこさん、拝読しました。

ライバル同士でも、協力しあえばもっと美味しい柿が作れることでしょう。
悪い人がいない話なので、読後感がとても良いですね。

13/08/21 こぐまじゅんこ

泡沫恋歌さま。

コメント、ありがとうございます。

いじわるじいさんにしようかな?とも思ったのですが、書いてみたらそんなにいじわるじゃないので、となりのじいさんにしました。
読後感がいいって言ってくださり、うれしいです。

13/09/10 こぐまじゅんこ

凪沙薫さま。

コメント、ありがとうございます。
凪沙さんに、勉強になりました と言っていただけて、恐縮してます。
ありがとうございました。

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