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平塚ライジングバードさん

今生の私の実力では無理ですが、 来世かその次の来世においては、 物語で世界を変えたいと強く思っています! 制作者の皆さんが「こんな発想もあるのか…」と 目から鱗が落ちるような作品作りに努めます!!

性別 男性
将来の夢 将来の夢を堂々と語れるようになること
座右の銘 圧倒的物量は質を遥かに凌駕する

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We couldnt end weekend

13/08/07 コンテスト(テーマ):第三十六回 時空モノガタリ文学賞【 無口な人 】 コメント:7件 平塚ライジングバード 閲覧数:1508

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今日も暑くない?ヤバイよね。
あまりの暑さに全然寝れなくて、今週が凄く長く感じたよ。本格的に夏が来たってことを実感するね。
で、で、来週から始まる夏休みどこに行こうか?何をしようか?
え…何でそんな悲しそうな顔するの?もしかして泣いてる?
ごめん、夏が嫌いだったか?
違うの。
じゃあ、もしかして僕が嫌いだったのかな?
全然違う?
そっか。それはよかった。

去年の夏休みはさ。友達もいなくて、ひとりぼっちで…。
仕方なくずっとつちのこを探してた。
何それって感じだよね。
でも、その時は笑えないほど大真面目につちのこを探してたんだ。
人がいない方へいない方へと走ってさ、ずっと下を向いてさ。
何というか、社会とどう関わっていけばいいか分からなかったんだ。
思い返せばバカみたいな話だけど、当時は“今”に全く興味がなくてさ。“今”はとてもつまらないけど、来世は素晴らしい世界が広がっているって信じて疑わなかった。
“今”がどれだけ重要かとか、来世がそんな都合のいいものじゃないとか、そういうことが全然分からなかったんだ。

…って、リラックス、リラックス。何か表情が暗いって。
僕の話なんて、笑って聞いてもらえればそれでいいんだよ。
君がよく笑うから、そのおかげで僕はこんなにも笑えるようになったんだから。

そうなんだよ。
今年に入って、君と出会い、まず前を向くことを覚えた。
君を好きになって、夢を抱くようになって、空を見上げることを覚えたんだ。
思春期だからこの際恥ずかしいこと言っちゃうけど、前向きになって、たくさん笑うようになって初めて、世界はこんなにも素晴らしいんだって心の底から実感したんだ。
“閉鎖した日々を生む黒い影は笑みに弱い”っていう外国のことわざじゃないけどさ。笑うことって本当に大事なんだね。
君と知り合ってからというもの“今”が楽しくて仕方ないんだ。

…って何だよその顔!?
真剣すぎ。笑って、笑って。
ここ最近表情が固いぜ。悩み事でもあるの?僕は、君の笑顔と明るさが大好きなんだから、そんな調子だとこっちも悲しくなっちゃうよ。
うーん。
ねぇ、どうしたの。何があったか教えてよ。頼りないかもしれないけど、彼氏のことをもっと信用してほしいんだ。
さっきから何も喋ってないじゃん。
おかしいって。
ねぇ、思い出して。出会った頃はさ、僕は全くと言っていいほど人とうまく話せなくて…君が色々な話題を提供してくれたんじゃないか。
そうだよ。よく話す君の傍にいて、僕はこんなにもお喋りになったんだ。
本当にどうしたんだよ。別人みたいだよ。君を守るためなら何だってする。
だから…話してよ。
声を聞かせてよ。


…ごめん。
彼女は消え入りそうな声で謝って、無表情のままそっと僕に携帯電話を手渡した。
そこには、打ちかけのメールが書いてあった。



今度会う時は
週明けかな?

がんばるね。

何かさ…次の
回は、二人と
も絶対にうま
く脱出できた
りするって…
帰れるって…
すごく感じる

たまらない程
すきです。
けじめをつけ
てきますね


「えっと、何これ?告白?」
僕が尋ねると、彼女はブンブン首を振って、顔を伏せたまま「矢印、矢印。」と呟いた。
「え?…ああ!!」

気づいたときには、全てが遅かった。
彼女の置かれた状況を理解すると同時に僕の後頭部に凄まじい衝撃と痛みが走った。
損傷状況を確認するまでもなく、僕はもう助からないと悟る。それ程までの衝撃。
頭を叩きつけられた勢いそのままに、僕は地面に倒れた。重力に抗う力など当然残されていない。
最後に目に映ったのは、しゃがみこんで泣き叫ぶ君の姿と君に近づく巨大な黒い影。
耳に入る黒い影のものと思われる声が、ただただ鬱陶しい。


他者に現状を伝えることは禁止行為ですよ
…ってこれ何度目でしたっけ
千回超えたあたりから数えるのが面倒になっちゃって、もう分からないのだけれども
相変わらずこの鈍い男に頼るのですね
おかげでこの男は何回死んでいるのでしょうか
まぁ、千回超えたあたりから数えるのが面倒になっちゃって、もう分からないのだけれども
残念ですが、今回も解決できなかったので、また今週ですね
それでは、再びお会いできるのを楽しみにしています


意識が途切れるまでの間、僕はただただ願っていた。
もし次回があるのなら、今の感情を今の記憶を持ったまま、目を覚ますようにと。次こそは彼女を助けられるようにと。

君に出会って前を見ることを、空を見上げることを覚えた。
次は俯瞰だ。
全体を見て、違和感を見つけて、君にまとわりつく黒い影を打ち倒さなければ。

だから…
どうか、どうか、どうか、どうか、どうか、どうか…
どうか来週の今週の僕は、もっと、もっと、もっと…
もっと賢くありますように…


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このストーリーに関するコメント

13/08/07 青海野 灰


わー、これはまた、大変面白かったです。大好きな空気です。
タイトルから内容はなんとなく想像できましたが、それでも興奮して読みました。
メールをカモフラージュするための本文にも彼女の気持ちが込められているように思えて、秀逸だと思いました。
状況に対する壮大な設定や謎を残しつつも、違和感なく2000字に収められているのはお見事です。
これは是非結末が読んでみたいですね。

13/08/08 平塚ライジングバード

青海野様、コメントありがとうございます☆

ありがちなストーリーだな…と思って書きましたが、まさかタイトル
でばれてしまうとは…(>_<)
早口で読むと「ウイークエンド、ウイークエンド」になるな〜と考えて
タイトルをつけました。

“閉鎖した日々を生む黒い影は笑みに弱い”っていう外国のことわざじゃないけどさ。
笑うことって本当に大事なんだね。

という一節あたりから結末を想像していただければと思います。
主人公の記憶は、潜在的・無意識的にですが、次回へ引き継がれています。

13/08/09 平塚ライジングバード

凪沙薫様、コメントありがとうございます♪

そうですね。エンドレスエイトですね。
ただの人間には興味ない感じでごめんなさい(笑)。
自分もこの話を書くか迷いましたが、まぁなんとか行けるのでは…
と甘い見通しでアップしました。

表現力不足でうまく書ききれてませんが、、、
状況を何とか伝えるために頑張るヒロインもさることながら、
ヒロインにある行為をさせるためにひたすらに喋り続けてるの
主人公もポイントでございます。

13/08/09 泡沫恋歌

平塚ライジングバードさま、拝読しました。

相変わらずぶっ飛んだストーリーでオバサンの海馬を鍛えてくれる♪

真剣に二回読んだよ(`・ω・´)ハイ!

なんだか、この脱出ゲームは永遠にエンドレスになりそうな予感が・・・。
いつも、発想が斬新だね。
こういう作家はいきなり化けて、大作家への道を進む予感がするよ。

13/08/09 平塚ライジングバード

恋歌様、いつもコメントありがとうございます☆

今回の作品は展開はともかくとして、ループものというネタとしては、
非常にありがちな話なんです(>_<)
がっかりさせるようで申し訳ないですが、今の学生にとっては王道とも
言えるジャンルです。
なので、あまり斬新と言えるかは分かりませんが、ところどころに
自分なりのアレンジをいれましたので楽しんでいただければ、
嬉しいです。
二人が笑顔で最後の日を迎えられればいいんですけどね♪
ちなみに自分は化けないですよ( ̄▽ ̄;)
あんなダメ人間がよく社会人に化けたなという程度です(笑)。

13/08/10 草愛やし美

平塚ライジングバードさん、拝読しました。
コメントを先に読むってないのですが、読みました。そうなのですか? ループという分野で若者には、浸透しているのでしょうか。
私は、全くわからなくて何度か読んで、結局、コメントに一縷の望みを(たいそうかも 苦笑)託しました。
私は、メビウスの輪を感じて読んでいましたので、ある意味、正解?なのかしら。何度も同じことを繰り返す、それも前の記憶はなく一から……、かなり辛そうな状況ですね。新しいことを知って勉強になりました、ありがとうございました。

13/08/12 平塚ライジングバード

草藍さま、コメントありがとうございます☆

分かりにくくてすみません(>_<)
そこは完全に僕の技量不足です。

メビウスは近いと言えば近いかもしれませんね。
詳しくは、「ループもの」でwiki検索してみてください。
青海野さんがタイトルだけでストーリーを読み取るぐらい、
一部では定番化してるジャンルです。

ループものは多くの場合、繰り返すシーンを何度も描きます。
少しずつ状況は変わるのですが、結局元に戻ってしまうので、
時間の檻に閉じ込められた閉塞感、絶望感を感じる場面が多いです。
なお、前の記憶があるパターンと無いパターンがありますが、
必ず一人はループしていることに気づく人がいます。
読者です♪

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