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黒の魔術師さん

性別 男性
将来の夢 小説家
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K&Rが消失

13/06/21 コンテスト(テーマ):第三十四回 時空モノガタリ文学賞【 探偵 】 コメント:1件 黒の魔術師 閲覧数:1308

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 名探偵。それにもっとも必要なものは推理力だと思う人がほとんどだろう。
僕もそうだった。あることに気づくまで。
 そのあることとは事件に絡まれる体質がもっとも重要だということだ。
 アニメやドラマでは必ず主人公の探偵は事件に遭遇する。もはや近くにいてほしくない人だ。
 別に僕の周りで殺人事件が起きた訳じゃない。ただメンドクサイ事件が起こるだけだ。そう現在のように。
 「えーー。今から2年2組緊急会議を開く。俺のとっておいた寒天とレタスを食ったのは誰だ!!」
 担任の坂本がハゲを散らしながら机を叩いていた。はっきり言おう。心底どうでもいい。ていうかどんな組み合わせだ。
 「そこで、吉川。お前に犯人を見つけて欲しい。」
 何故矛先が僕に?なんか悪いことしましたか?もしかしてこの前隣の掘が花瓶割ったのを報告したのが響いてるのだろうか。それともトイレットペーパーをぐちゃぐちゃにした犯人を見つけたからだろうか。犯人は失恋した体育の先生だった。……ちなみに何故見つかったかというと近くにプリクラが落ちていた。
 「何故僕なんですか?」
 「一番近くに居たからな。なんとなくな。」
 理由を考えた僕が馬鹿だった。
 「………分かりました。」
 1つ言っておこう。僕の推理力が探偵ドラマに出てくる的外れな刑事と互角だ。
 
 
 「では先生。いつから無いと気づきましたか。」
 僕が冷静を装い内心は怯えながら質問すると坂本先生は腕を組みながら唸る。
 「うーん……3時間目前までは確かにあったな。」
 「どこに入れておいたのですか?」
 寒天とレタスだ、そうそう仕舞える物じゃない。
 「家庭科室の冷蔵庫だ。後で冷やして食べるつもりでな。」
 寒天とレタスを?僕はその組み合わせの方が気になるんだが。あえてその質問は避けよう。
 「では、現場に行きましょう。」
 ちょっと調子に乗りたくなってきた。そこは認めよう。だって足が軽いもん。
 

 大き目の冷蔵庫を開くと、確かに何も存在しなかった。あるのは氷と冷気。調理実習は今どのクラスも無いので当たり前だが。
 「うーーん………」
 「吉川!!犯人は誰だ!!」
 ……これだけでみつかるなら探偵はいない。
 「先生は……寒天とレタスが好きなんですか?」
 「もちろんだ!!地球3個分好きだ!!」
 地球1個分を教えてください。あと地球1個甘く見るな。
 「………先生、今ここは先生しか使いませんよね?」
 掃除担当がいるがまだ放課後では無いので掃除の可能性はゼロだ。
 「………先生、もう一度買うのじゃ駄目ですか?」
 「駄目だ!」
 なんでだよ!!いいじゃん別に。
 「何か特別な品なんですか?」
 「もちろんだ。」
 「それって……高級品とか?ですか。」
 「いや、俺が持ってきたから特別なんだ。」
 ……帰っていいですか。
 「仕方ないですね。もう一度探してみますか。」
 僕達は先生を含めたクラス全員での捜索が始まった。



 「………無いですね……」
 いよいよ昼食が近づいてきた頃、僕達は先生以外諦めていた。
 「諦めるな!!諦めなければ道は開けるはずだ。」
 何故だろう。寒天とレタスを探してソレ言っても全然感動しない。
 そして突如、家庭科室の扉が開いた。近くには引越しの業者みたいな人が複数立っていた。
 「ここも取り替えるか……もう古いから色々取り替えないとなぁ……ってアレ?先生に生徒さん?取り替えたばかりの冷蔵庫の前で何してるんですか?」
 ………犯人が見つかった。
 ようするに冷蔵庫は取り替えられたので寒天とレタスがある訳が無いのだ。っていうか先生……入れた冷蔵庫の外見見ろよ。
 「………………帰りましょう……」
 「…………ああ」
 また事件が1つ終わった。のちにこの事件は
 『KR消失事件寒天とレタス消失事件』と名づけられた。

 


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このストーリーに関するコメント

13/06/21 光石七

拝読しました。
かなり笑わせていただきました。
主人公のツッコミが素晴らしい。探偵よりもそっちの素質がありそうです。
しかし、何故寒天とレタスなんでしょうね(笑)

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