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かめかめさん

http://ameblo.jp/kamekame1976/ ブログデシセイカツバクロチウ

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将来の夢 印税生活
座右の銘 ハワイに行きたいと思ったら、一歩踏み出さないといけない。 ハワイは向こうから近づいてこない。

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小雨の日に

12/04/16 コンテスト(テーマ):第四回 時空モノガタリ文学賞【 傘 】 コメント:0件 かめかめ 閲覧数:2127

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中学2年の夏から、学校に行けなくなった。


朝起きて家を出るところまでは、何ともないのだが、

バスに乗ろうとすると、ぐぐうっと胸を押されたような圧迫感がして、吐き気がして頭痛がして、家にもどって寝る日々が続いていた。

上手くバスに乗れた日も、乗り換えのバス停で、どうしても次のバスに乗れずに、近くの商業ビルの非常階段で一日座り込んでいることが多かった。



小雨が降っていた。

その日もバスに乗れなかった。

学校に行かなきゃ。と思うと、家にも帰れず、けれど吐き気がひどくて、どうしてもバスには乗れず。

どうすることもできず、バス停でしゃがみこんでしまった。




「だいじょうぶ?」




しばらくして、一人の女性が、傘をさしかけてくれた。

その時初めて、小雨が降っていること、雨が降ったら傘をさすものだと言うこと、

困っている人がいたら、傘をさしかけてあげるものだと言うことに、気付いた。




そして、自分が困った状況に陥っているのだと、初めて認識した。




「だいじょうぶです、家に帰ります」




女性にお礼を言って、家に帰り、母に、学校に行けないことを話した。

母は学校にお休みする旨、連絡を入れてくれて、どうしてもひどいようなら病院へ行こうと提案してくれた。

私は、その日一日、久しぶりにぐっすりと眠り、

次の日から、なぜか学校へ行けるようになった。




中高一貫のその学校を無事、卒業できたのは、あの日、

傘をさしかけてくれた女性のおかげだと思う。




あれは、もう20年も前のこと。

今は、私も、うずくまる人に傘をさしかけられるくらいの余裕は、出来たのではないかと思っている。


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