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undoodnuさん

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あとがきが書けない

18/07/06 コンテスト(テーマ):第158回 時空モノガタリ文学賞 【 あとがき 】 コメント:0件 undoodnu 閲覧数:109

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 私はあとがきが苦手だ。原稿用紙を広げて机に向かって、ペンをくわえる。何も浮かばない。作品の解説をすれば良い? どうやればいいのだ。次回作への意気込み? そんなものは構想も何もまだない。登場人物達の後日談で跡を濁すか? そんな卑怯な真似はできない。困った時は、ひとっ風呂浴びてサッパリすることにしよう。
 入浴を済ませた私はサッパリした。だが、脳みそもサッパリしてしまった。やはり、何も浮かばない。もはや無といえよう。才能の枯渇だろうか。白紙の原稿用紙に目を落として、ため息を吐く。誰か代わりに書いてくれないかな? そんな思いが脳をよぎる。
 いっそ、この原稿用紙をビリビリに破ってやろうか。それとも、黒く塗りつぶしてやろうか。新しい形のあとがきになるかもしれない。いや、そんなことは作家がやっていいことではない。筆を折る時がとうとう来たというのだろうか。これからの生活には不安しかない。作家を辞めた私に残るものが何かあるだろうか。いや、何もない。
 神よ、頼む。私にあとがきを。天使でも、悪魔でもいい。私にあとがきを。あとがきを書かせておくれ!
 祈ったところで、当然あとがきは一文字も進まなかった。もう私には無理なのだろうか。諦めろということなのだろうか。今日のところは勘弁しておいてやる。明日だ。明日、決着をつけてやる。
 翌日、やはりというべきか、原稿用紙に文字が書かれることがなかった。私にあとがきを書くなど、土台無理だったのだ。なんせ、本文がまだ一行も書けていないのだから。


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