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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
座右の銘 しあわせはいつも自分の心がきめる

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あとがきの人 

18/06/30 コンテスト(テーマ):第158回 時空モノガタリ文学賞 【 あとがき 】 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:75

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 ぼくは、鈴木とおる。
 岡山に住む小学二年生。
 ぼくは、本が大好きなんだ。
 いっしょに住んでいるおばあちゃんが、ぼくにいっぱい本を読んでくれたから。
 今日は、ぼくの誕生日。
 おばあちゃんが、本をプレゼントしてくれた。
 絵が少ないちょっとぶあつい本。
「とおるくんも本をよく読めるようになったから、この本をえらんでみたよ。ちょっと長いお話だけど、おもしろいから読んでごらん。」
 ぼくは、本の題名をみた。
『はるきくんとヒヨじい』
 なんだかおもしろそう!
 さっそく読んでみる。
 ヒヨじいって、ゆで卵からうまれたんだ。おもしろいなぁ……。
 学校から帰っておやつを食べてから読み始めて、晩ごはんまでに読み終えた。
「すっごくおもしろかったよ。」
 おばあちゃんの部屋に行って声をかけた。
「もう読んだのかい? おもしろかったでしょう。ところで、あとがきも読んだ?」
「あとがき?」
 ぼくが聞くと、おばあちゃんは、本をめくってさいごのページをひらいた。
「ここ。読んでみて。」
「うん、わかった。」
 ぼくは、お風呂上りに、ふとんにころがって読んだ。

― このお話は、はるきくんの死んだおじいちゃんが、ヒヨコになってはるきくんのところにやってくるという不思議なお話です。ヒヨじいの話すことばは、私の住んでいる岡山のことばです。私は、岡山弁が大好きです。……。―

(えっ、岡山の人が書いたお話だったんだ。)
 いつか会えたらいいなぁ、ぼくは、そんなことを思いながらいつのまにかねむっていた。

 それから、一か月が過ぎたある日、先生が言った。
「今日から、読み聞かせのボランティアさんがきてくれます。ニ十分休みに図書室で本を読んでくれるそうですよ。聞きたい人は行ってみてくださいね。」
 ぼくは、行ってみたいなと思った。
 ニ十分休みになった。
 図書室に入ってみる。
 おばあちゃんくらいの女の人が、いすにすわって絵本をもっていた。
「もりくまこです。今日から絵本を読みに来ます。よろしくね。」
 女の人が、澄んだ声で言った。
「もりくまこ?」
 どこかで聞いた名前だ。
「あっ、はるきくんとヒヨじいの人だ!」
 ぼくは、なんだかドキドキしてきた。
 目の前のこの人が、あの本の作者だって。
 ほんものに会っちゃった!

 ぼくは、絵本もうわの空で、もりくまこさんをじっとみていた。
「じゃあ、これで今日はおわりです。」
 図書室の先生が、
「もりくまこさんは、童話作家さんです。これからも楽しい絵本を読んでくださいます。みんな、お礼を言いましょう。」
「ありがとうございました。」
 もりくまこさんが、出て行こうとしたとき、ぼくは思いきって声をかけてみた。
「はるきくんとヒヨじい、おもしろかったです。」
「あら、読んでくれたの? うれしい!」
 もりくまこさんは、明るい声で言うと、
「いっぱい本、読んでね。」
と言ってくれた。
 ぼくは、じわじわうれしさがこみあげてきた。
(こんなことってあるんだ。)

 ぼくは、次の体育の授業におくれないように、あわてて教室でむかった。


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