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ひーろさん

ミステリーが好きです。

性別 男性
将来の夢
座右の銘 人に勝つより自分に負けるな。

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いろいろ

18/06/24 コンテスト(テーマ):第157回 時空モノガタリ文学賞 【 コメディ 】 コメント:0件 ひーろ 閲覧数:83

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 ある日の雨上がりの昼下がり。地面に反射した光がぽろぽろと砕けて空中に漂いはじめました。そのあまりの美しさにつられて、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の七色が地上に集まってきました。彼らはいつもと同じように整列し、光を呼びだし、空にきれいな虹を架けました。
 しばらくすると、嫌われ者の黒がやってきました。これもいつものことです。

 黒「何で、おれは虹の七色に入っていないんだ? どうも納得がいかん。おれも仲間に入れてくれ。認めてくれるよな? 青、どうだ」
 青「どうって、まあ、でも、入っていないのは君だけじゃないし、白さんとかも……」
 黒「はっきり答えろ! お前のその優柔不断な性格が気に食わないんだ」
 青「そんなこと言われても……」
 黒「おれを仲間に入れるか入れないか。白黒はっきりしやがれ! この青二才が!」
 青「君こそ……その傲慢な態度が……嫌な感じで……」
 黒「どうせ、おれが入ると暗い陰湿なイメージになるとか言い出すんだ! いつも除け者にしやがって!」
 橙「たしかに、それはかわいそうだね。温かい気持ちで受け入れてあげるべきだよね」
 黒「いいこと言うな。お前」
 黄「だいたい、橙は人が良すぎるんだよ」
 橙「当たり前のことを言っているだけだよ。見た目だけで判断してはいけないと思うよ。黒にだって、大切な役割があるはずだよ。それをみんなで考えようよ」
 黒「そうだよな! さすが橙、すばらしい! ところで青二才、お前はどう思うんだ!」
 青「それは……仲間外れにするのは悪いと思うけど……」
 黄「かわいそうに、青菜に塩だな、青。黒の野郎は自分だけが正しいと思って主張しやがる。やっぱり、這っても黒豆だ。虹色に参加できないのが悔しいだけだろ。自己中心的で腹黒いやつだよ。かまうことないぜ。一番的を射たことを言ってるのは、おれだな。だろ?」
 藍「黄、あなたも相変わらず黄口ね。青二才ならぬ、黄二才ね。何の考えもなしに甲高い声で喋るものじゃないわ。青くん、青は藍より出でて藍より青しって言葉を知ってるかしら? あなたは、母親であるあたしよりも優れているはずなの。何を言われても自信をもってね。ただ、今のところ一番なのは、まだまだあたしよ。ほほほ」
 黄「黄口ってどういう意味だよ」
 黒「お前らは引っ込んでろ!」
 赤「そんな乱暴な言葉使ったらあかん」
 藍「ほんとその通りよね……って、あなた誰よ」
 赤「いつも遅れて上に乗っかるさかい、影が薄いだけやで」
 黒「どいつもこいつも引っ込んでろ! 腹立たしい」
 黄「お前もその黒い腹を引っ込めろ!」
 藍「あなたも、いちいち黄色い口をはさまないほうがいいわよ!」
 白「まあまあ、低俗な喧嘩はよそでやってくれないかな。聞いていてあまりに滑稽だよ。虹色がそんなに羨ましいかい。はあ。それにしても、白眉っていう言葉があるだろう? 僕が一番優秀なんだなあ。僕の教えることを聞くのが賢明さ」
 藍「もう! 気持ち悪いのよあんた。周りから白い目で見られてること、気付いていないわけ?」
 白「何てことを言うのさ。その言葉、白紙に戻してくれないかな」
 藍「ふん。あんたなんか、しょせん色気のないつまんないやつよ!」
 赤「そんな酷い言葉使ったらあかん」
 藍「だから誰なのよあんた!」
 黒「赤の他人は引っ込んでろ!」
 紫「みなさん落ち着きましょうよ。こんなときはラベンダーの香りをどうでしょう。一番上品で…」
 黒「すべこべ言わずにおれを仲間に入れろ!」
 緑「やれやれ。お前さんたち、他色のことを悪く言うもんじゃないぞい。それに、誰が一番なんてことどうだっていいじゃろう。柳は緑花は紅。それぞれにはそれぞれの特性があるのだよ。それを認め合わねばならん」
 黄「でも自分が一番経験あると分かっているから、そんな偉そうなこと言えるんだろ? 結局自分が一番なんだ!」
 緑「おいおい、遠回しにわしが年寄りだと馬鹿にしておらんか? この未熟者が!」

 この後、いさかいは段々と激しくなっていきました。ついには、言い争いに留まらず、直接体をぶつけ合う大喧嘩にまで発展しました。互いにぶつかり合い混ざり合った色たちは、何色とも呼べないような、混沌とした、汚れたものを空中にばらまきました。また、いつもの夜がやってきました。

 真っ黒な闇夜に鮮やかな七色の虹が架かる。そんなすてきな景色を、いつか見られるでしょうか。


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