1. トップページ
  2. ぞろ目のお札

瀬口利幸さん

性別
将来の夢
座右の銘

投稿済みの作品

0

ぞろ目のお札

18/06/23 コンテスト(テーマ):第157回 時空モノガタリ文学賞 【 コメディ 】 コメント:0件 瀬口利幸 閲覧数:48

この作品を評価する

昨日、僕は銀行でお金を下ろし、何気なくそのお金を眺めている
と、お札の紙幣番号が1のぞろ目だという事に気付いた。
こういうお札は高く売れると聞いた事があるので、早速、買い
取ってもらえる店に持って行った。
「あの・・・」
「はい」
「さっき、銀行でお金下ろしたら、1のぞろ目のお札が出てきた
んですけど、買い取ってもらえるんですか ?」
「ええ、勿論・・・そのお札、拝見してもいいですか ?」
「はい」
僕は、店長にお札を渡した。
「はいはい・・・これだと・・・これ位になりますけど・・・」
店長は、電卓を叩いて僕に見せた。
「えっ ! そんなに・・・」
「はい。どうされます ? お売りになられます ?」
「はい。売ります」
「じゃあ・・・こちらが代金になります」
「どうも」
僕は、店長から受け取った数枚のお札を財布に入れながら、その
場を立ち去ろうとしていたが、ふと、一番上のお札の紙幣番号に目が行った。
「あれっ ! ? ・・・」
「どうかされました ?」
「あの・・・これ、5のぞろ目なんですけど・・・」
と言って、僕は、店長にそのお札を渡した。
「えーっ ! ! ! ・・・嘘・・・でしょ・・・この番号のお札ずっと探してたんですよ ! 」
「はあ・・・」
「どこで手に入れたんですか ! ?」
「いや・・・あなたから貰ったんですけど・・・」
「えーっ ! 僕から ! ? ・・・灯台もと暗しですね」
「はあ・・・」
「いやー、まさか、こんな所で出会えるなんて・・・」
「ずっと、あなたの手元にあった筈ですけど・・・」
「いやー、奇跡だなあ・・・あのー・・・もし良かったら、是非、
譲って頂きたいんですけど」
「えっ ? ・・・このお札をですか ?」
「ええ・・・本当に、ずっと探してたんですよ。このチャンス
逃したら、二度と出会えないと思うんで、是非」
「いや、僕は、別にいいですけど・・・これ、あなたから貰ったんですよ」
「出所なんてどうでもいいんですよ、とにかく、このお札さえ手に入れば」
「自分で持ってたお札を、自分で買い取る形になりますけど・・・ものすごく損しますよ」
「いやいや、この商売、得をする時もあれば、損をする時もありますから」
「まあ、それでいいんなら、僕は別に・・・」
「ありがとうございます ! 」
そう言って、店長は嬉しそうに、そのお札の何十倍もの金額を僕に渡した。
「本当にいいのかなあ・・・」
僕は、何か悪い事をしたような気分になりながら店長に渡されたお札を眺めていると、
「あれっ ! ・・・このお札、7のぞろ目ですけど・・・」
「えーっ ! ! ! ! ・・・どこでこのお札を ! ?」
こうして僕は、1日にして億万長者になった。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン