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風宮 雅俊さん

テーマに沿った物語を、どのくらいのレベルで書けるかな? と言う事で登録してみました。 アマゾンの電子書籍キンドルで作品出してます。こちらも宜しくお願いします。 ツイッター: @tw_kazamiya

性別 男性
将来の夢 世界一周の船旅で、船室に籠って小説を書く事
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お笑い予選

18/05/28 コンテスト(テーマ):第157回 時空モノガタリ文学賞 【 コメディ 】 コメント:0件 風宮 雅俊 閲覧数:162

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 テレビ局内の小ホールには、予選出場者と同じくらいの人数が観客席に詰め掛けていた。予選参加者は出番待ちに緊張していた。観客席側も一言一句聞き逃すまいと緊張していた。
「これより、第二十三回、お笑い大会の予選を行います。予選に先立ち、第二十三回より昨今の放送事故を防ぐ為に関連団体の方に審査の協力をお願いしております。よろしくお願いいたします」
 司会は観客席にお辞儀をした。
「では、一番の方。どうぞ」


 舞台の真ん中に勢いよく現れると、
「数を数えます。
いち・に・チャン・よん・ご・リョク・しち・はち・ギュッギュー・じゅう」
 チン 観客席からベルが鳴った。
 空かさず、司会が観客席にマイクを渡した。
「そそれ、き吃音者を揶揄しています。小学生も観る番組で虐めのキッカケを作る行為は、ゆ許されません」
 怒りを噛み殺した様な震える声で言った。
「審査員長、ご判断をお願いします」
 司会が間髪入れずに審査員長に振った。
「次の挑戦者の方」
 審査員長は重々しく言った。


 ブランド物のブレザー姿と、短くなって布当てをしている学生服姿の二人が出てきた。
「君は、進学先はどうするの?」
 ブレザー姿は言った。
「就職の予定だ。給付型奨学金を貰えると先生に言われたけど、入学時に必要なお金が足らない。バイト代は生活費で消えて入学資金が貯まらなかったからだ」
 学生服姿は仁王立ちで言った。
「入学資金が必要になるのを知っていて貯めなかったんだから、自己責任だね」
「君は、進学できるのかね?」
 学生服姿は嫌味を込めて言った。
「うちのパパは、大学の偉い人とお友達だから、大丈夫だよ」
 ブレザー姿は素直に言った。
「ほう、あんな成績でも入学できる大学があるとは奇異なものだ。いつから九九が出来るようになった?」
 成績が悪い事こそ自己責任だろと語尾に力を込めて言った。
「大丈夫だよ、電卓あるし」
「お金があるだけで、勉強もできないクセに進学とは! それこそ自己責任だろ」
 チン 観客席からベルが鳴った。
 空かさず、司会が観客席にマイクを渡した。
「学習障害を嘲弄しています。先天的な事で笑いを取るのは差別です」
 お金だけは持っていそうな関連団体の代表が言った。
「審査員長、ご判断をお願いします」
 司会が間髪入れずに審査員長に振った。
「次の挑戦者の方」
 審査員長は取り敢えず言った。


スーツ姿の男性と、ビキニ姿の女性が出て来た。
「先生、次の選挙厳しいのですが・・・」
 ビキニの女性はメガネを直しながら言った。
「大丈夫だ。選挙公約を印刷したティッシュを君たちが配れば逆転できる」
 チン
 チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン
観客席のあちらこちらでベルが連打された。
「女性を何だと思ってる! セクハラ程度で済むと思っているのか! 女性を侮辱するな」
 観客席から割れんばかりの拍手が巻き起こった。
「審査員長、ご判断をお願いします」
 司会も拍手しながら、審査員長に振った。
「次の挑戦者の方」
 審査員長は怯えながら言った。


 ハッピ姿の男が十匹の猿を連れて出て来た。
「本邦初公開、猿ピラミッド」
 男はいきなりの大技で、場の雰囲気を一気に変えようと企んでいた。
 チン 聞き落としそうな小さな音でベルが鳴った。
 空かさず、司会が観客席にマイクを渡した。
「あのーすいません。これって動物虐待だと思います」
 ベルの音と同じくらい小さな声だった。
「審査員長、ご判断をお願いします」
 司会が間髪入れずに審査員長に振った。
「次の挑戦者の方」
 審査員長はため息交じりに言った。


 座布団を抱えて舞台の真ん中に来ると、ちょこんと座り深々とお辞儀をした。
「テツは怖いモノ何もないのかい?
いや・・・実は饅頭が怖い。
話をしているだけ気分が悪いと言って、自分の長屋に帰ってしまった。
そこで残された連中。テツに一泡吹かせてやろうと金を出し合って饅頭を買ってくると、テツの長屋に次々と放り込みました。すると中からテツの悲鳴が聞こえて来るではあませんか!
ギャーこんな沢山の饅頭。見ているだけで怖くて仕方がねー。
テツは、恐れおののきながら、鷲掴みにすると、
食べて見えなくしてしまオー。ウオオオ、美味すぎて怖い。
騙された事に気が付いた連中が、テツの長屋に入り込んだ。
こらテツ!
テツは悪びれる様子もなく、ニヤリと笑うと
こんどはお茶が怖い」
 会場から拍手が鳴り響きました。
「物言いがつきませんね」
 審査員長は周りを見渡した。
「では、予選通過おめでとう・・・・ 一組だけですね通過」
「お後がよろしいようで」
 深々とお辞儀をすると、座布団を抱えて下がっていった。


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