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甘空 ゆめさん

過ぎた青春を小説で補う。そんなつもりで書いてます。

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初めての、

18/05/14 コンテスト(テーマ):第156回 時空モノガタリ文学賞 【 浮遊 】 コメント:0件 甘空 ゆめ 閲覧数:184

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「もういい加減やめてくれよ。」

まったく、俺の友達はどうしてこんなに低レベルなのか。こんな弊害どうってことない、すぐに収まる、なんて思ってたのに、2週間経ってもこれだ。

帰りの挨拶をした瞬間に俺を取り囲んでくるヤツらをテキトーにあしらって、足早に教室を出てく。お前らに構ってる時間なんてないんだよ。
それに下手に口を滑らせるとジマンだなんだって煩そうだし。

中学の校門を出て右。これがいつもの俺の帰り道。でも今日は左に行って、二つ目の角を右に曲がる。曲がる前に少しだけ深呼吸して背筋を伸ばす。
なぜかって?そんなの決まってるだろ。お前まで俺に言わせるのかよ、勘弁してくれ。



「待った?ごめんな」
「全然。昨日より早いね。」
「…あいつらを撒くのにも慣れてきたしな。」

そう声を交わしながら、少しずつ歩き出す。
まだこの慣れない感じに声が上ずる。
笑顔がかわいいし、声だってかわいいし、何もないところで躓くのすらかわいい。
あいつらには絶対言わないけど。
惚気なんて聞かせたら、何言われるかわかったもんじゃない。バカにされそうだ。
俺はいいけど、こいつをバカにするのは許さない。

地に足つけて、しっかりしないと。彼氏なんだから。




「あー、またすぐ出ていったな。」
「どうせ一緒に帰ったりしてんだろ。」
「『もういい加減にしてくれ』って言ってたけど、あいつ気づいてんのかな。」
「何に?」
「最近いつもにやけてるだろ。授業中もそうだし、俺らがからかってる時も満更でもない感じでさ。」
「はあ。初めてで浮ついてんだろ。本人は気づいてなさそうだけどさ。」


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