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黄間友香さん

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燃えない人

18/04/30 コンテスト(テーマ):第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】 コメント:0件 黄間友香 閲覧数:144

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これは僕が葬式屋さんに聞いた質問だ。ご焼香の話。
「人によって燃え方ってちがうもんなんですか?」
「ちがうとすれば、どんな方がよく燃えるのですか?」
葬儀屋さんはニコッと笑って言った。
「そうですねぇ、違うといえば少し違います」
「例えば不慮の事故で亡くなられてしまった方はよく燃えますね。まだ生きたいというエネルギーが有り余っておいでなのでしょう。逆にお年を召した方だったりとか、日頃頑張りすぎてしまって過労死してしまった方なんかだと燃えづらかったり」
僕はさらに突っ込んで聞いてみた。
「ご焼香の時、燃えない方っていうのもいらっしゃるんでしょうか?」
葬儀屋さんは答える。
「そんなことはございませんよ。皆様温度差はございますが、燃えますね。ただ……」
彼が少し口ごもったので僕はぐっと近く。
「ただ……?」
葬儀屋さんは少しだけまごつきながらも、僕に教えてくれた。
「最近、墓地がどんどん狭くなってきていますでしょう。時々いらっしゃるんですよね、墓地に入れない方。なのでそういう方のご遺体は、燃えない方法で処置させていただいております」
「……というと?」
「リサイクル、でございますね」
「ゴミの分別で行われる様な?」
「左様でございます。ご遺体を墓地に埋めたてるのではなく、役立てる。そうすることによって御霊を返す様にこちらではしております」
僕は少しだけ不審に思って尋ねてみた。
「リサイクル、と言っても何をするのでしょう」
「ええ、まず最初に生きたいというエネルギーをうまく変換させます。これは一度焼くのではなく、体の内にあるものを取り出して抽出。残った微量なものを焼く、というものです」
「というと?」
「申し訳ございません、これ以上は企業秘密となります。が、そのエネルギーを私たちが受け取ることによって、エネルギーが失われることを防ぎます」
ぼやかされてしまったが仕方がない。
「他には何か?」
「そうですね。体の物質を分子レベルまで分解して、そのマテリアルごとに再利用する方法も弊社では行っております」
「そんな技術が!」
「ははは、実験台はたくさんありましたからね。うまく成功させることができましたよ」
にこやかに笑う葬儀屋さんがまた違って見えるがもうやけだ。
「ここ最近、墓地が掘り返されているという噂を聞きますが」
「再エネルギーを作るのにおいて、これからやってくるご遺体というのが理想ではありますが、3年以内であればエネルギーの抽出は可能です」
「そうだったんですね、驚いた」
「こちらも随時、エコで地球に優しい葬儀屋というものを目指しておりますので、もし将来のお墓を決めかねている時は平野をお使いください」


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