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黒江 うさぎさん

はじめ、まして。くろえ、うさぎと、もうし、ます。 なんでも、かきます。 けっこう、ほんとうに、なんでも、かきます。 あと、おしゃべり、にがて、です。 よろしく、おねがい、します。 Twitter→@usagi_kuroe いろんな、ところで、しょうせつ、かいてて、それを、かえんに、てつだって、もらって、ほうこく、しています。 よかったら、みて、ください。 あ、かえんは、わたしの、しんせき?きょうだい?そんな、かんじ、です。 たくさん、たくさん、てつだって、もらって、います。

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命の捨て場

18/04/30 コンテスト(テーマ):第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】 コメント:0件 黒江 うさぎ 閲覧数:163

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「こんにちは。
 ここは命の捨て場ですか?」
「こんにちは。
 はい。ここが命の捨て場です。
 ここで待っていればそのうち収集車が来て、焼却場に連れて行ってくれます」
「収集車が来るのはいつ頃でしょう?」
「さぁ。
 前に来たのは三日前、その前は四日前、その前は三年前ですから、いつ来るかは分かりません」
「そうですか…。
 ではここで暫く待たせて貰いましょう」
「そうですか」
「…」
「…」
「……貴方も収集車を待っているんですか?」
「いいえ。
 私はこの捨て場の管理人です」
「管理人?」
「はい。
 ここには自分の意思で命を捨てに来た方達が来るのですが、収集車が来ると逃げてしまう方が殆どなのです」
「そういった方達を捕らえて収集車に放り込むのが貴方の役割…という事ですか?」
「話が早くて助かります。
 なので逃げようとは考えないで下さいね」
「はぁ」
「ちなみに私に命乞いをしても無駄です。
 私はこの捨て場のオーナーの指示を絶対に遂行する様プログラミングされているので」
「安心して下さい。
 僕は死ななきゃいけないので、逃げる様な事はしませんよ」
「そうですか。それは良かったです」
「…」
「…」
「……」
「……どうして貴方は死ななければいけないのですか?」
「理由は分かりません。
 でも、みんなの話だと僕は早く死ななきゃいけないそうです」
「みんなとは誰ですか?」
「僕の周りにいるみんなです。
 どうやら僕は生きる価値の無いゴミだそうで、とっとと死ねと言われ続けて来ました。
 僕自身も大して生きていたいと思わないので、ここに来たんです」
「そうですか」
「そういう貴方はどうして管理者に?」
「私はオーナーに造られた人造人間です。
 オーナーの利益の為だけに存在し、オーナーの命令であればどんな事も実行します」
「なるほど」
「…」
「…」
「……」
「……収集車来ませんねー」
「焦らないで下さい。
 待っていればいずれ来ます」
「いえ、焦っている訳では無いのですが、こうも来ないと暇だなーって思って」
「オーナーからは待っている人間の相手をしろとも命令されていますが、如何しますか?」
「どんな事をしてくれるんです?」
「オーナーの不利益にならなければどんな事でもします」
「ではお話でもしますか?」
「ええ、構いませんよ」
「そういえば先程からずっとその小説を読んでいますけど、どんな本なんですか?」
「『星に願いを』、というタイトルの小説です」
「本、結構ボロボロですね…」
「この本以外に特に面白いと思える本が無かったので、ずっとこの本ばかり読んでいますから。
 文字が判別出来なくなるまでボロボロになると、オーナーが新しい同じ本を下さるのです」
「…僕結構読書家なんですけど、その作家は聞いた事が無いですね」
「オーナーも同じ作家の本を探し回ってくれているのですが、この一冊しか見付からないそうです」
「という事は自費出版の本なんですかねー」
「自費出版?」
「自分でお金を出して出版する本の事です。
 企業とか評価とか色んな物に縛られずに出版出来ますから、本当に多種多様の本が出せるんですよ?」
「…良いですねそれ…。
 今度オーナーに頼んで自費出版の本を何冊か買って来て貰おうかな…」
「…………良いと思いますよ?」
「なんですかその嫌な間は」
「いやー…そのー…オーナーさんにはちゃんとした小説を買って来る事を言っておいた方が良いですよ?」
「そこは全く以て問題ありません。オーナーのチョイスはいつも完璧です。
 この小説もオーナーが下さった物なんですよ」
「オーナーさんの事、慕ってるんですね」
「はい。
 オーナーは私に沢山の物を下さいました。
 この肉も、血も、心も、全てオーナーが下さった物です。
 …だから私は、自ら望んでオーナーの所有物になったのです」
「オーナーってどんな方なんですか?」
「はいっ!
 オーナーはとても聡明で心優しく時たま見せる笑顔がとても素敵な御方ですっ!
 本当に本当に素敵な御方なんですっ!」
「おうわっ!
 と、突然大声出さないで下さいっ!」
「…すいません。思わずオーナーの事をお話出来るのが嬉しくて…」
「本当にオーナーの事を慕っているんですねー
 あー、一度お会いしてみたいですねー」
「焼却場でお会い出来ますよ」
「そうなんですか?早く焼却場に行きたいなぁ」
「……ああ、噂をすれば」
「あれが収集車なんですね」
「はい」
「では僕、行きますね。
 最期に楽しい時間を過ごさせて頂いて、ありがとうございました」
「私も楽しかったです。
 …では、どうか良い終焉を」
「…はい。
 良き、終焉を」


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