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笹岡 拓也さん

文章で笹岡 拓也の世界を伝えられたらいいなと考えてます。 キャラクターたちがイキイキとした物語を書いて、読んだあと何か残れるような作品にしていきます。

性別 男性
将来の夢 自分の作品を多くの人に読んでもらうこと
座右の銘 生きているだけで幸せ

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ゴミは色になる

18/04/29 コンテスト(テーマ):第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:226

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いつもくだらない会話を繰り広げる高校生の僕たち。そんな中、ものすごく真剣な表情を浮かべて島田が
「ゴミって色になるんだぜ?」
と言った。僕たちは馬鹿らしい話だと聞き流したら、再度島田が
「ゴミって色なんだよ」
と必死に言ってきた。僕たちは二度も同じことを言ってくる島田を無視することはできないので、鈴木が代表して問い掛ける。
「どんな話だ?」
すると島田はとても嬉しそうに
「ゴミを数字にしたらさ、5と3じゃん?そのゴミにまたゴミを出したら16になるんだよ!色(16)になるだろ!」
と語り始める。意味が分からなすぎて僕は話に付いていけない。こんなくだらない話はさっさと変えて違う話をしよう。
「そんなことよりさ...」
僕がみんなに話しかけた時、まさかの鈴木が
「いやちょっと待て。ゴミは5と3だけど足す理由ないだろう」
とまっすぐな目で島田に話す。鈴木が言うようにゴミを5と3にするとこまでは分かるけど、それを足して8にする理由はない。
「だったらどうすんだよ!」
「53と考えればいい」
鈴木の明確な答えに一同「おー!」と驚く。鈴木は頭脳明晰で何故僕たちと同じ高校に通っているのか分からないほどの頭の持ち主。やはり今回も鈴木の答えにまとまるのだろう。
「つまりゴミ(53)とゴミ(53)を足したら106になる。すなわちトロになるんだ!」
鈴木はクラスに響き渡るほど大きい声で結論に行き着いた。僕だけじゃない、僕たちみんなその答えに納得している。
ただ、話の輪に入ってなかった勝山が僕たちに話しかけて事が変わる。
「いやいや、トロになるってなんだよ?」
鈴木も自分の答えに酔いしれていたからか、突然の質問にいい答えが出せず困っている。そんな困った顔をしている鈴木を助けるため、僕は苦し紛れの答えを勝山に伝える。
「あ、あのさ!トロって美味しいでしょ?あのゴミが足されることで、美味しいトロになるんだよ?すごくない?」
勝山は僕の答えに良い顔はしなかったが「なるほど」と声に出し納得する。ただ先ほど反論されたことで、鈴木は何かに引っかかった様子を浮かべていた。
「いや確かにトロになって美味そうになったけど、ゴミのような存在、すなわちマイナスの物とマイナスの物を足したところで、トロのようなプラスの物に変わらないのかもしれない」
そして鈴木の呟きを聞いた勝山が「閃いた!」と声を上げて注目を集める。
「ゴミを足すからマイナスなんだよ!ゴミは掛けないといけないんだ!」
そうだ。僕たちが教わった数学によればマイナスにマイナスを掛ければプラスになると言っていた。あれはどうも不思議な考えだと思っていたけど、現実でもマイナスとマイナスを掛ければプラスになるんだ。
「じゃあつまり、ゴミ(53)掛けるゴミ(53)をすれば真の答えが分かるんだ!」
そして僕たちは手元にあったノートに53×53の筆算を行った。
「答えは2809だ!これを別の読み方に...」
僕たちは行き詰まった。せっかく出した答えだったが、どう頑張っても読み方が分からない。
「ニヤレイク?ニハゼロキュ?全然読めない」
僕たちはそれでも諦めずに答えを求めた。そんな必死に考えている僕たちに島田が
「もうよくない?こんなくだらないこと」
と笑いながら言ってくる。僕は島田から発信したことなのに、その態度はなんなんだと怒りが芽生えた。
ただずっと一緒にいたが一言も語らず黙って聞いていた菅原の一言で話は結末を迎える。
「あのさ。ゴミは足したって掛けたってゴミだよ。答えはゴミから変わらないってこと」
僕たちは行き着いた答えに感動を覚える。その中でも鈴木はとても嬉しそうに菅原の頭を撫でた。
「お前最高だよ!これで分かった!答えはゴミをなるべく出さないようにしないといけないってことだな!」
僕たちはゴミという物は何にも生まれ変わらないことが分かった。また僕たちは賢くなった。


この会話を聞いていた担任の長谷川が
「お前たちらしい会話だな。ただ今の時代はリサイクルができるんだぞ?」
またこの問題を話し合わなければいけなくなった僕たちだった。


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