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藤澤俊輔さん

フリーの漫才作家をしております。漫才・コント・落語・一人芝居などの台本を書いています。http://fujisawatrio.hateblo.jp/

性別 男性
将来の夢 後の時代にまで語り継がれるようなネタを書き、語り継がれる過程でそのネタは「作者不明」となり、それでもネタだけは生き続ける、そんな台本を書くことです。
座右の銘 漫才とは、笑われたり笑わせたりすることではなく、ただそこに「笑いが在る」ということである

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【コント】コーヒーのない喫茶店

12/12/29 コンテスト(テーマ):【 喫茶店 】 コメント:5件 藤澤俊輔 閲覧数:1998

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客:コーヒー1つ。

店員:申し訳ありません。只今コーヒーは売り切れておりまして…。

客:え?ないんですか?コーヒー。

店員:はい。

客:ここ喫茶店ですよねぇ。

店員:はい。

客:「はい」じゃなくて…喫茶店にコーヒーがないっておかしいでしょ…。

店員:お言葉ですが…お客様…ご存じないんですか?

客:何がですか?

店員:この異常気象で,世界中のコーヒー豆がなくなってしまったんです。

客:そうなんですか!?世界中のコーヒー豆が?

店員:えぇ。それが原因で今や世界の至る所で戦争が起こってます。

客:そんなことになってるんですか!?じゃあコーヒー飲めないんですか?

店員:そうなんです。申し訳ありません。

客:じゃあ何ならあるんですか?

店員:コロッケならございます。

客:コロッケ!?

店員:はい。

客:「はい」じゃなくて,売り切れたコーヒーの代わりがコロッケってことですか?

店員:はい。

客:だから「はい」じゃなくて…おかしいでしょ,コーヒーの代わりにコロッケって。

店員:コーヒーとコロッケは似てるじゃないですか。

客:似てないですよ!どこが似てるんですか。

店員:どちらも「コ」がつきます。

客:「コ」がつく?名前の頭にってことですか?あのねぇ…そういうの似てるって言わないですからね。それに…コーヒーに似てる飲み物で「コ」がつくっていえばまずは紅茶でしょ。

店員:申し訳ございません。紅茶はですね…コーヒーがなくなった直後に注文が殺到いたしまして,すぐに売り切れてしまいまして…。

客:あ〜なるほど…。じゃあココア!「コ」がつくでしょ,ココアも。

店員:申し訳ございません。ココアはですね…

客:売り切れた?

店員:えぇ…紅茶の次に売り切れまして…。

客:まぁ…そうなりますよね…。

店員:そのあと,コーラが売り切れまして,その次に,粉ミルク,コンソメスープ,コーンポタージュの順で売り切れまして,現在のうちの店のメインが…コロッケです。

客:コーンポタージュの次がコロッケなんですか!?何かあるんじゃないですか?コーンポタージュとコロッケの間に入る「コ」がつく飲み物。

店員:ありますか?

客:あると思いますよ。

店員:ちなみにコロッケもあと3杯で売り切れですので,ご注文される場合はお早めにどうぞ。

客:コロッケも1杯2杯って数えるんですか!? 世の中からコーヒーがなくなるとこんなことになっちゃうんですね…。

店員:どうなさいますか?

客:どうしよう…。こうなったらコロッケ飲もうかなぁ…。…でももし僕が「コ」のつく飲み物を思いついたら売ってくれるんですか?

店員:いいですよ,思いついたら。でもないですよたぶん。「コ」がつく飲み物なんて。

客:こういうのはねぇ,絞り出せば出てくるもんなんですよ。コ…コ…コ…コンビーフ…

店員:コンビーフになさいますか?

客:あるんですか?

店員:ございます,コンビーフなら。

客:いやちょっと待って。思いついたのをただ言っただけだから。今日はコンビーフを飲む気分じゃないのでね…,コ…コ…コ…コンクリート…

店員:コンクリートになさいますか?

客:なさいませんよ!思いついただけだから。それに無理でしょ,コンクリート飲むのは!

店員:固まる前に飲み干せば…いけると思います!

客:いけるかっ!

店員:お客様,こうしてお客様が「コ」のつく飲み物を考えてる間に,コロッケも完売です。

客:そうなんですか!?ちなみにコロッケの次のメインの飲み物は何なんですか?

店員:コンビーフです。

客:わたし当たってましたね,ある意味。

店員:コンビーフのエスプレッソになさいますか?

客:なさいません!気持ち悪いでしょ,コンビーフのエスプレッソ。…でも今思ったんですけど,コーヒーがなくなったせいで世界では戦争まで起きてるんですよねぇ。

店員:はい。

客:だとすれば,例えば,海の水をコーヒーに変える機械とか発明したら,ノーベル平和賞も夢じゃないんじゃないですか?

店員:あ〜そうですねぇ。

客:そうですよねぇ!「コ」がつく飲み物とか考えてる場合じゃないですよ。僕,今から帰ってすぐに海の水をコーヒーに変える機械作りますから。


【20年後】
教授(元客):できたぁ!ついにできたぞ!これさえあれば,海の水からいくらでもコーヒーが作れる!これで20年も続いたあの愚かで忌まわしいコーヒー戦争も,終わりを迎えるに違いない…。

助手:教授!教授!大変です!

教授:どうした?

助手:それが…,この異常気象で…海の水がなくなりそうなんです!


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このストーリーに関するコメント

12/12/30 藤澤俊輔

凪沙薫さんへ

ありがとうございます!
こういうかんじのものしか書けませんが,
今後ともよろしくお願いします。

13/01/01 草愛やし美

面白いですね、コントですか、藤澤俊輔さん、拝読しました。

やはり「いとこい」師匠あたりの大御所がやる演目なのでしょうね。コーヒー豆、今年は本当に不作だったそうで、インスタントコーヒーなど軒並み値上げなりました。近い将来、コントとして笑えないことになるかもしれませんね。

13/01/01 藤澤俊輔

草藍さんへ

ありがとうございます!
いとしこいしさん,ご存じなんですね!それだけでも嬉しい!
最近知らない方が増えているみたいで…。

とりあえず今年1年
コーヒー戦争が起こらないことを願います。

13/02/13 かめかめ

えー。そこで発明しちゃうんすか。
なんかがっかり。
てか、客、何もんだ?ってなりますよね。突然いわれても。

13/02/14 藤澤俊輔

かめかめさんへ

なるほど…。
海の水がなくなるところまでいってしまう…
というかんじにしたかったもので…発明しちゃいました…

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