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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
座右の銘 しあわせはいつも自分の心がきめる

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ゴミの日のおばあちゃん

18/04/19 コンテスト(テーマ):第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:193

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 たかくんは、小学一年生。
 ランドセルをせおって、毎朝学校に行きます。
 通学路の途中に、ゴミステーションがあります。月曜日と木曜日の朝は、ゴミをすてにくるおじさんやおばさんとすれちがいます。
 たかくんは、ゴミの日が好きなんです。
 ゴミぶくろを重たそうにもって歩いてくるおばあちゃんが、いつもたかくんをみると、にこっとわらって、
「行っておかえり。」
と言ってくれるからです。
 たかくんは、どこの家のおばあちゃんなのかしらないけれど、やさしく声をかけてくれるおばあちゃんが大好きなんです。

 長い夏休みがおわって、今日から二学期がはじまります。
 今日は、それに月曜日です。
 ゴミの日だ!
 たかくんは、おばあちゃんに会うのを楽しみに学校に行きます。
 ゴミをもったおじさんとすれちがいます。
 自転車にのって、ゴミをもってきているおばさんもいました。
 けれども、今日はあのおばあちゃんの姿みえません。
 たかくんは、ちょっとがっかりしました。
 でも、学校で友だちと遊んだら、おばあちゃんのことはすっかりわすれていました。
 木曜日になりました。
 今日も、おばあちゃんに会いませんでした。
 たかくんは、なんだか心配になってきました。
 おばあちゃんの名前も家もわからないので、さがすこともできません。
(おばあちゃん、どうしちゃったんだろう?)
 ある日、たかくんは、お母さんにおつかいをたのまれて、近所のスーパーに行きました。
 お店の中を歩いていると、車いすにのったおばあちゃんがいました。
(あれ?)
 たかくんは、車いすのおばあちゃんをじっとみました。
(ゴミの日のおばあちゃんだ!)
 たかくんは、びっくりしました。
 車いすをおしているのは、わかいおねえさんです。ピンク色のポロシャツを着て、名札を首からさげています。
「おばあちゃん!」
 たかくんは、おもわず声をかけました。
 でも、おばあちゃんは、いつものやさしい笑顔じゃなくなっていました。
 だまって、たかくんをみると、知らん顔をして前に向き直りました。
(おばあちゃん、なんかへんだな。)
 たかくんは、そう思いました。
 おばあちゃんは、おねえさんに車いすをおしてもらって、店をでていきます。
 たかくんは、あとをおいかけました。
 ワゴン車にのるおばあちゃん。
 車には、「くろせデイサービス」とかいてあります。

 たかくんは、家に帰るとお母さんにききました。
「デイサービスってなに?」
「デイサービス? なんでそんなこときくの?」
 たかくんは、ゴミの日に会っていたおばあちゃんのことを話しました。
「あー、それは、角田さんちのおばあちゃんね。この頃、物忘れがひどくなって、デイサービスっていうお年寄りの施設に入ったんだって。」
 たかくんは、
(ゴミの日に、もうおばあちゃんに会えないんだな。)
と思いました。
 ふっと、いつもおばあちゃんが言ってくれた、
「行っておかえり。」
という声が近くで聞こえたような気がしました。


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