ジェームズボンバークライシスさん

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孤独

18/03/30 コンテスト(テーマ):第154回 時空モノガタリ文学賞 【 復讐 】 コメント:0件 ジェームズボンバークライシス 閲覧数:204

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僕の戦いは、終わった。そして孤独になった。
愛する人を守ることが出来ず復讐という形でしか、僕の鬱憤を晴らすことができない。

大粒の涙が頬を垂れる。
「やったんだよ。やったんだよ。沙希ちゃん。」
僕は包丁を喉に向ける。

すると誰かが後ろから抱きしめる。
「お前は誰だ?」
振り向くと、それは羽の生えた天使だった。
「僕もジ・エンドか。」
天使と僕はディープキスを交わす。

「ありがとう」

僕はその天使の首に包丁を刺した。
「俺はまだ死ぬわけにはいかないんでね」

僕は、天使でさえも苛立ちを感じていた。
「僕は・・・生きるんだ。
俺はお前なんかに殺されない。死ぬなら俺は自分で死ぬ」

こうしてそれから3年が経った。
隣にいたはずの沙希は、いない。
しかし、今は空虚かと言われるとそうでもない。

隣には空っぽの自分を埋めるために作った彼女、小梅がいた。
付き合って1年が経つ。
勿論、彼女を本気で愛すことはなかった。

沙希以上に愛せる人がいないことを僕は知ってる。
だけども前を少しでも向かないと精神衛生上悪いからという事実を隠し、彼女と性行為を行う。

彼女のキスの味は甘かった。
だからこそ、少しでも傷が癒えると確信した。

軽薄な愛情だと気付かれないように、演技するのは僕は得意だった。
僕は彼女を永遠に愛することなんてないだろう。

何故なら沙希という完全を僕は知ってるんだからね。

時が経てば沙希のことを忘れるかと思った。
しかし、僕は沙希のことを忘れることができなかった。

僕はこの想いを小説という形で残しておくことで鬱憤が、晴れると思った。
しかし、日に日に苦痛は増していく。

ダメだ、僕は小梅を愛せないんだ。
女々しい自分が憎くてたまらない。
例え同棲してどれだけ幸せな自分を捏造しても、幸せにはなれなかった。

「小梅、別れよう。
もう耐えきれないんだ、僕は」

小梅は、うつむき涙を流した。

「小梅、ごめん。」

すると、小梅は仰向いて笑った。
「だろうと思った。
どうせ私なんて遊びなんでしょ?
本当に愛してるのは沙希・・・沙希なんでしょ?」

僕は、怒りそうになったが、家を出ようとしたその時、小梅は強く僕の手首を握った。
「はなせよ」
「私が沙希を殺したの」

僕は驚いた。
なんで小梅が沙希の名前を知ってるんだ!?
僕は小梅の襟首を掴んだ。
「冗談でもそんなこと言うな。」
「冗談じゃないわ。」

僕は包丁を戸棚から取り出し彼女に向けた。
「殺せば?殺す勇気もないくせに」
僕は包丁を落とした。
すると、小梅が僕の首を強く握った。

「死ぬ感覚って知ってる?」

僕はこんな女に殺されたくない。
強い生への意思、そして強い怒りで彼女の鳩尾に蹴りを入れた。
そして、包丁を拾い彼女の胸に突き刺す。
何度も何度も突き刺す。

心臓が止まったと思い安心した僕はゴミ袋を用意した。
「さて、どこに捨てるか」
すると、小梅の死体の背の部分から白い羽根が生えた。

そして、傷口は瞬時にふさがり僕は、目を丸くした。
小梅の顔がみるみる変わっていく。
その顔は沙希・・・に見えた。

しかし、違う。
「お前は悪魔!?」
「違う。私はあなたの殺した天使よ」
「天使だって?」

天使は微笑むと、沙希の顔からあの日の天使の顔に瞬時に変わった。

「私が沙希を殺したの。
あなたがあの時、旦那を殺したから。
あなたが殺したと勘違いしてね。
あなたの被害者になって旦那は死んだ。」

僕は首を振った。
「それは、嘘だ!あいつが殺したんだ!」
「決定的な証拠はあるの?
推測でしょう?あなたの」

沈黙が10分ほど続いた。
そして、僕は彼女に聞いた。
「お前は誰だ?悪魔か?」

「私は天使。正確には天使になっただけど。
私は死ねなくなったの。
あなたを復讐をするために何度も同じ生を繰り返すことになったの。
それはあなたも。」

「なに!?」

「あなたは、私の強い呪いで死ねないわ。
だけどね、もう一度あなたは、やり直すことになるの。あなたは、記憶を消す。
そして、あなたは、また沙希ちゃんを愛し、私はまた沙希ちゃんを殺す。
そしてまたあなたは、私を殺し、そしてあなたもまた死ぬ。

あなたは、これを永遠に繰り返すの。
死よりも恐ろしい私の復讐よ」

「嫌だああああああ俺は・・・もう沙希を・・・沙希を失いたくない」

天使は僕の手から包丁を奪う。
「では、さよなら256人目ののあなた」
僕の頭上に強い衝撃が走る。


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