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トミザワ 鏡太朗さん

しいたけの事について真剣に考えている

性別 男性
将来の夢 物を書いてお金になればいいな
座右の銘 最悪死ぬだけ!!!

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どんぐり

18/03/05 コンテスト(テーマ):第153回 時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】 コメント:0件 トミザワ 鏡太朗 閲覧数:257

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よかったら俺のくだらない話を一つ
聞いてくれないか?

俺がまだ小学生2年生だったときの話
クラスに1人、吃音症の女の子がいたんだ
伊織ちゃんって言う、名前のイメージ通り繊細で優しい子だったよ
彼女は喋れない訳じゃないけど、いかんせんよく聞き取れない

みんな最初は一生懸命聞き取ろうとしてたけど
だんだん億劫になって話しかけなくなったり
おかしな物真似をするやつまで現れた

まぁ、小学校低学年なんてそんなもんだよな
伊織ちゃんは次第に塞ぎ混んでしまって、学校にも来なくなったんだよ

俺、姉ちゃんが吃音症で苦労してたの見てたからさ、なんとなく他人事に思えなくて、よくプリント届けに行ってたんだ
実は吃音症は、家族や親しい人の前だと割と普通に喋れたりするんだよ
だから俺は、伊織ちゃんの家に通った
伊織ちゃんもだんだん心を開いてくれて、俺が行くといろんな話を聞かせてくれた
学校を休んでいる間、お母さんとお菓子を作るみたいで
それがめちゃくちゃ楽しいらしい
俺は料理のことなんか全く分からないけど、美味しいお菓子のおこぼれをもらえるならなんでもよかった

3年生に進級して、伊織ちゃんも徐々に登校できるようになってきたけど、学校でのどもりは相変わらず
でもいいんだよ別に
俺は聞き取れるから

季節が秋に差し掛かった頃、校外学習があった
と言っても、歩いて30分くらいの公園にいって
落ち葉とか木の実を拾って工作をするってだけなんだけどな

伊織ちゃんは拾ったドングリを4つ俺にくれた
「いつも仲良くしてくれてありがとう」って言って


家に帰って母ちゃんに聞いてみたら、ドングリは乾燥させないように気を付ければ、家の庭でも育つらしい
さっそく庭に埋めた
「仲良くしてくれてる代」
みたいな気がして、気分は良くなかったけど




その木もすげぇ大きくなったんだよ
ドングリもたくさん採れて、嫁が丁寧に灰汁抜きをしてお菓子を作ってくれるんだ
「あの時、私と仲良くしてくれてる代のつもりで渡したのに、こんなに大きく育つなんてね」
嫁がくすくす笑ってる
やっぱりそうだったのか…

でもさ、ドングリの花言葉知ってるか?
永遠の愛なんだってよ


「おかーさーーーん早くクッキー焼こうよー」


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