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黒江 うさぎさん

はじめ、まして。くろえ、うさぎと、もうし、ます。 なんでも、かきます。 けっこう、ほんとうに、なんでも、かきます。 あと、おしゃべり、にがて、です。 よろしく、おねがい、します。 Twitter→@usagi_kuroe いろんな、ところで、しょうせつ、かいてて、それを、かえんに、てつだって、もらって、ほうこく、しています。 よかったら、みて、ください。 あ、かえんは、わたしの、しんせき?きょうだい?そんな、かんじ、です。 たくさん、たくさん、てつだって、もらって、います。

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貴方に捧げる愛の報酬

18/03/05 コンテスト(テーマ):第153回 時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】 コメント:0件 黒江 うさぎ 閲覧数:234

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 私には、恋人がいる。
 その人の名前は、カトレーヌ。
 カトレーヌは私と同じ女の人で、今は私のボディーガードで…昔は、私の家に売られて来た奴隷。
 …うん。カトレーヌにたとえ過去に何があっても、私とカトレーヌは相思相愛の恋人なんだ。
「…ねぇ、カトレーヌ」
「如何しましたか?お嬢様」
「…どうしてカトレーヌは私に何もしないの?」
 …カトレーヌからは、本当に何もしてこないけれど。
 カトレーヌに遠慮があるのかもしれない。
 そう思って報酬という形にしてみたのに、カトレーヌが出す要求は「手を握って下さい」だの「少しだけ側にいて下さい」だの、とても恋人らしい事とは言えない事ばかり。
「何…とはどのような事でしょうか?」
「勿論恋人みたいな色んな事よ!
 もうっ!もうっ!
 ほんとだったらカトレーヌと甘い蜜月を過ごす予定だったのにっ!」
 もっふもふと枕をベッドに打ち付ける私の言葉に、カトレーヌは、
「…シャーロット様。
 …私は…私はもう、充分なのです」
 そう、返事をした。
「もう充分って…どういう事?」
「…私は親に捨てられ、奴隷として売られ、安息の地など無く、
 疎まれ、嫌われ…幸を望む事すら出来なくなったのです。
  …この、忌まわしい力のせいで」
 カトレーヌが手袋を外すと、カトレーヌの手の周りで火の粉が舞う。
 カトレーヌの過去を形作った、カトレーヌが忌まわしい力と呼ぶ、不思議な力。
 …カトレーヌが周りに必死に秘匿している…私しか知らない秘密。
「…でも、ここは違う。
 ここは私を奴隷では無く一人の人として扱い、何不自由無い衣食住を私を与えて下さった。
 …そして、ここには貴方がいた。
 私を信頼し、私を受け入れ…こんな私を愛してくれている、貴方が。
 …私の様な怪物がこれ以上の何かを望んでしまっては、神様は私に罰を与えるでしょう」
 カトレーヌはそう言って、微笑んだ。
 その微笑みが、あまりにも悲し過ぎて。
 …私は、それ以上何も言えなくなってしまったんだ。

 それから数日後、私は誘拐された。
 私は大きな大きな財閥の総帥の孫娘で、だから狙われた。
 私を誘拐したのは、大きな大きなテロ組織。
 警察や軍なんかじゃ太刀打ち出来ないぐらい、強大な相手を、
 …カトレーヌは、一人で殲滅した。
 カトレーヌが必死に秘匿していた力を、みんなの目の前で行使して。
 私を助け出す、ただその為に。
 …その結果、私は傷一つ無く解放され、カトレーヌはテロリストの手により瀕死の傷を負った。
 いつ目覚めるか分からない。
 もしかしたら、一生目覚めないかもしれない。
 医者からそうを告げられた皆は、涙を流した。
 カトレーヌが不思議な力を持っていると分かっても、涙を流したんだ。
 …そして、私の誘拐から二週間後。
「…………しゃー…ろっ、と…様…?」
 カトレーヌはその目を開け、私の名前を呟いたのだ。
「カトレーヌッ!?」
「シャーロット…さ、ま…。
 お怪我は…ありませんか…?」
「無いっ!無いよっ!
 貴方が…カトレーヌが命を掛けて守ってくれたからっ!」
「…そう、ですか。
 良かった…本当に…本当に、良かった…」
「カトレーヌッ!カトレーヌッ!」
 私は無我夢中でカトレーヌに抱き着いた。
 温かい。
 大切な人の、生きている体温。
「シャーロット様、ほ、他の人が見ています!」
「そんな事どうだって良いッ!
 私は…私はこんなにもカトレーヌを愛しているんだものッ!」
 カトレーヌはほんの少しの間、手を空中で彷徨わせていたけれど、
「…………シャーロット」
 …私の名前を呼んで、ぎゅっと抱き締めてくれたのだった。

「そうそう!」
「?どうかしかしたか?シャーロット」
「敬語は治らないのね…」
「まぁこれは仕方ないです。
 それで、どうかしたのですか?」
「ほらっ!この間の報酬、何が良いの!?」
「ああ、この能力で民間人を守った時の事ですか?」
「そそっ!
 カトレーヌったら、まぁだ報酬って形でしかいちゃいちゃしようとしないんだものっ!」
「……え、えと…では…その…」
「なになに!?なんでも言って!?」
「……シャーロット」
「うんうんっ!」
「………どうか貴方のこれからの人生全てを、私に下さい」
「…え?」
「…きっと夢に思う以上の報酬を望む私には、きっと神様が罰をお与えになるでしょうね」
「…へ?」
「だから私が罰を受けない為に、シャーロット、どうか私のこれからの人生全てを、対価として受け取って下さい」
「……………もしかして、プロポーズ?」
「…はい」
 真っ赤になって答えるカトレーヌに、私は思いっきり抱きついて、キスをして、
「勿論っ!」
 カトレーヌに、この人生全てを捧げて、報酬を支払う決意をしたのだった。


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