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ジェームズボンバークライシスさん

ジェームズボンバークライシスです。 好きな作家はドストエフスキーと、ゲーテと夏目漱石と芥川龍之介です。よろしく。

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僕が欲しいもの

18/02/12 コンテスト(テーマ):第153回 時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】 コメント:0件 ジェームズボンバークライシス 閲覧数:230

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僕は他者にしてきたことは、必ず自分に返ってくると祖父に聞かされたことがある。
だから僕は他者に対して貢献をすれば、必ず恩恵が返ってくると思っていたから僕はしばらくの間は利己主義だった事実は否定できない。
だけどもその行動が習慣化されると、そういうことは無意識に行っていたし、自己犠牲以外の常識を知らないわけだから、結局人に当たり前のように尽くす。
おかげで、僕は騙されることも多かったし、必ずしもその行動の結果が悪い方向へ傾いたときは僕は悪人扱いだってされた。
僕は、長い間、人を信じれなかったし、今だって完全には信じていない、だけど僕の知っている人の殆どは僕の知らないところにいる。僕は孤独だ。
結局人に尽くして得られたものは永遠の孤独だけだった。
報酬が僕は欲しかった。その報酬というのは、金銭的な報酬なんかじゃない、金銭的な報酬というのは様々な方法で入手できる。
例えば割のいいバイトをするとか、アンケートモニターに参加するとか、上場したての企業の会社の株を買うとか。正直目に見える報酬を得る方法は、腐るほどあるから、僕はそこに価値を見出せない。
それ以外の報酬というのはやはり、真理に近づくことが僕にとって最上の報酬だ。
愛の真理、それを知るために僕は様々な行動を起こした、彼女を作ってみたり、女性が喜ぶことを全力で行ったり、だけども愛のゴールがセックスという常識を殆どの人が抱いていることが僕にとっての絶望だった。
僕には性欲がない!だから人をある程度愛したところで、他の人とも関わりを持つようになる、一種の自己防衛のためだ。
関係が深くなりすぎたらお互いが傷つきやすくなるという事実を僕は体で覚えた。だからこそ、僕は人を本気で愛すことを躊躇していた。
こうして自己防衛を重ねた結果愛という真実から遠ざかっていくことを僕は感じていた。
報酬を結局得られないまま、僕は21歳になろうとしていた。
僕はたばこも酒も嗜めないし、性欲がないから性行為だって行わない、夜は誰かと通話して暇を潰す。食欲だって弱いほうだ。
報酬なんてなくても僕は生きていくことができる、社会評価を求めるのは、強い承認欲求があるからだろう、僕はその承認欲求も次第に薄くなっていくことを感じる。
人間は本来他者に関心が向かない。いつだって自分に関係のあることにしか関心が向かない、本質的には。
例えば、スキャンダルなんかは、自分に関係のないことだ、だがそのスキャンダルで会話ができるようになり、そういった話題を作ることで退屈という大きな苦痛から逃れることができるというメリットがあるからそういう情報を人は求める。
だけど、それも結局は自分の暇を潰したいから、そういう情報を得ているに過ぎない、結局、人は自分に関連すること以外に興味を持てないんだ。
誰かが結婚しようが離婚しようが関係ない、結局会食でどんな料理が食べれるかが、一番の関心ごとだ。だから必要以上に承認を求めようとすることもバカバカしく感じるのだ。
僕には好きな女性がいた、名前はあいか。
彼女はアイドルで、僕は彼女に顔を覚えてもらうために、一番前の席お互いの顔が見れる席で精いっぱい自分のアピールをしたが、結局僕の顔を一度も見ることはなかった。
そこにあった虚無感を僕は次第に忘れてきている、僕は諦めているのだ、人に認めてもらうということそのものも。
では神に期待しようとするものの、やはり神という存在が確立しようとも、どこぞの統合失調症患者や中二病患者が描いた妄想上の神を信仰する気にもなれない。
僕は哲学だけが救いとなったわけだし、これからもこうして、僕はショーペンハウエルや、パスカルやプラトンを手にして、彼らの哲学を元に思索を楽しむ、それだけが僕の生きている限り唯一の慰めであり、その人生という名の余剰時間だけが、僕にとっての最大の報酬ではないかと思う。
長くなってしまったが、僕が欲しいものは、哲学を考える時間なのかと思える。


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