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戸松有葉さん

ショートショート:小説投稿サイト「小説家になろう」で1001作以上、本サイト「時空モノガタリ」で入賞複数。 他、長編ライトノベルやエッセイなども。コメディ得意。 Amazon Kindle(電子書籍)http://amzn.to/1Xau7kMで活動中。(←URLは、Kindleストアを著者名「戸松有葉」で検索した結果。)代表作は『ショートショート集厳選集』とラノベの『二次元最高美少女』。 ツイッターは@tomatuariha3lb

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将来の夢 積極的安楽死法案
座右の銘 常識を疑え

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安価な殺し屋

18/02/05 コンテスト(テーマ):第153回 時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】 コメント:2件 戸松有葉 閲覧数:85

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 安価で引き受けることを謳う殺し屋がいた。他の殺し屋は安めの依頼料と高い成功報酬で引き受けるが、後者を求めないのである。
 ある依頼人は気になって尋ねてみた。
「何故成功報酬を貰わないのですか」
「俺は仕事だと思っていないからな、必要経費だけで充分だ」
「はあ」
 曖昧に相槌を打ちつつ、内心なるほどと合点が行く依頼人。要するにこの殺し屋は殺人狂なのだ。関わりたくない人間だが、利用価値はある。現に殺人依頼が安くて助かっている。
 依頼人は予定通り、依頼料だけを支払い、朗報を待つことにした。
 殺し屋は早速殺しに取り掛かり、成功させた。相手が無警戒だったことも成功率を上げている。
「俺は殺すべき奴を殺すだけだ」
 殺しを仕事だと思っていない信条は本当だが、そうでなくとも、成功報酬は貰いようがない。
 傍らには、依頼人が横たわっていた。

(了)


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このストーリーに関するコメント

18/02/18 凸山▲@感想を書きたい

拝読しました。
人の死を望むような人間は……というのも確かにある面では頷けます。とはいえ、殺し屋稼業は信頼と実績が第一でしょうから、依頼人が「死人に口無し」状態になってしまうとなると、己の信条を達するのも案外難しいのかもしれません。そう思うと、殺し屋と依頼人を取り次ぐ営業役の第三者がいるのかもしれず、そうだとすれば、一番の『殺人狂』はその第三者なのでしょう。おそろしい限りです。

18/02/18 戸松有葉

ありがとうございます。

「信頼と実績がない」はその通りで、だから苦し紛れに「安価であることを(本人が)謳う」としました。しかしおっしゃるようなふくらませ方ありますね。第三者は一番の『殺人狂』であり、そして殺人狂殺し屋に罪のない人を殺させないよう調整して需要と供給を噛み合わせる社会的貢献までしているのかもしれません。

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