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暎架さん

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公園のベンチ

18/01/21 コンテスト(テーマ):第152回 時空モノガタリ文学賞 【 酒 】 コメント:2件 暎架 閲覧数:218

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 アブラゼミが鳴いている。国道へと続く道路の先に陽炎がでている。
「頑張っていきましょう!」
「はい!」
「声出していきましょう!」
「はい!」
運動部員が中学校のグラウンドでウォーミングアップをしている。
 制服の靴下丈まで気にした生徒が、正門を入る。かつて、とはいうものの、たった一週間前に小さな大会に出た後、引退するまで励んでいた部活動の後輩たちの姿を横目に少し見て、教室へ向かう。
「本堂さん、おはようございます。調子はどうですか」
数学の夏期補講に誘った、担任が微笑む。
「おはようございます。いつも思うのですが、吹奏楽の子、早いですね」
「七時から来ていましたから」
本堂は、他の数名の生徒のように高校入試の過去問を解き、時間まで解説を聞き、教室から出た。五日目の補講だった。
 部活動の様子を見ると、それぞれが懸命に走るなどしていた。そして、少し正門から歩いたところで、はっとした。
「本堂さん!」
「根川さん!」
しばらく姿を見せなかった生徒は、麦茶の水筒を片手に制服を着崩している。
「どうしてたの」
「ずっと、そこに座わりこんで待っていました」
本堂は通り過ぎることもできたが、興味本位で一緒に歩いた。
「あの、一つお願いがあるのですが」
「えっ」
「本堂さんの家を教えてくれますか」
根川と家でくつろぐところを想像したことに驚いた彼女は、とっさに(あの公園へ行こう)と決めた。
「あのさ、公園に行かない?」
「いいですよ、ありがとう」
にっこり笑った。
歩きながら、根川は自分のそれまでを説明した。
「実は、中学校を退学になったのですよ」
「そうなんだ」
椅子を投げてしまったという事件などをぼんやりと知っていた本堂は、そういうこともあるのかと納得した。
公園の日陰を探すと、ベンチは日の当たるところしか空いていなかった。
二人が座るとすぐに、まつぼっくりが落ちた。
根川の頭に当たって跳ねた大きな種をキャッチして、わざと投げた。
「ははっ。よければいいのに」
「痛いじゃないですか」
お互いの共通点を探すために、本堂は見つめた。自分にとっての誰を見ているのか、分からないまま。
「顔に何か付いていますか」
頬を赤らめる相手の背中をさする。
「全然。何も付いてないよ。……、きれいだよ」
水滴が地面に吸い込まれていくのを見て、本堂は答えを見つけた。
灰色のスカート。
根川の頭は、熱くなっていた。
「そろそろ、行こう」
二人は、百貨店前の交差点で別れた。
 本堂は、数年後に親の振袖を借りて、成人式の写真を撮った。会場には出席しなかったが、後日に担任から連絡がきていた。
「どうも、中学の担任です。大学生活、どうですか。先におかあさんと電話で喋りましたが、なんかいい人ですね。一月の末に、当時の文芸部員数名で居酒屋へ行くんで、来てくさい。俺以外はオレンジジュースですよ。数学科、為末より」
スマートフォンの留守電を聞き、電車の中で本堂は声をあげて笑った。
二度と会えないはずだったから。


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このストーリーに関するコメント

18/01/21 凸山▲@感想を書きたい

拝読しました。
……読解力の無さを露呈するようで恥じ入るばかりなのですが、御作の内容がよくわかりませんでした。冒頭の視点、根川さんの言動の意味、公園へ行く理由、本堂さんの見つけた答え、『二度と会えないはずだったから』とはなどなど、私には不思議に思えることがたくさんあって、何度も読み返してしまいました。きっと、作者様が作品に込めた意義がおありなのだろうとは思うのですが、掴み取れず残念です。

18/01/21 暎架

いいえ、初めて他人に見せた作品でもあり、書き手の私が未熟なだけです。ちなみに、この作品は実体験をもとに書きました。30分程度でろくに推敲もせず投稿してしまい、読みにくいものであったこと、コメントで分かりよかったです。一方の人たちには会えて、本堂は根川には会わないだろうという意味を伝えたかったです。

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