1. トップページ
  2. 悲劇のアルファベット【W】

笹岡 拓也さん

文章で笹岡 拓也の世界を伝えられたらいいなと考えてます。 キャラクターたちがイキイキとした物語を書いて、読んだあと何か残れるような作品にしていきます。

性別 男性
将来の夢 自分の作品を多くの人に読んでもらうこと
座右の銘 生きているだけで幸せ

投稿済みの作品

0

悲劇のアルファベット【W】

17/12/29 コンテスト(テーマ):第150回 時空モノガタリ文学賞 【 悲劇 】 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:132

この作品を評価する

俺は世界でも1.2を争うほど認知されている。にもかかわらず俺の扱いは知らぬ間に雑に扱われいる。これはもう悲劇と呼んでも良いのではないだろうか?

世の中には26種類ものアルファベットがある。その中でも認知が高く敬われているものと、認知が低く雑に扱われているものがある。例えば【L】や【Q】に比べて、【S】や【Z】の方が高く敬われているだろう。名前や国名に使われることが多いものや、アルファベットの26種類目を飾る大トリは誰もが知る存在だ。
その中でもやはりアルファベットの代表と言えば【A】だろう。誰もが最初に覚えるアルファベットとして認知されている。【A】のフォルムはどのアルファベットよりも優れているし、代表と言っても文句を言うアルファベットはいないはずだ。
その次に有名と言っても過言ではないのがこの俺だ。俺は国名など小さいカテゴリーに使われるアルファベットではない。そう、俺は世界を表す言葉の頭文字【W】だ。WORLDと表記することから嫌でも馴染みのある存在だ。そして生意気なことを言うようだが、俺はアルファベット代表の【A】を抑えるほどの認知度に上がり詰めた。
そのキッカケがインターネットの普及だ。みなさんはURLをご存知だろうか?そのURLのはじめにWWWと表記されているだろう。これはWORLD WIDE WEBの略で世界中どこでもインターネットのWEBページを公開することができるのだ。まぁ詳しく説明すると膨大な内容になってしまうので割愛するが、誰もが知っているアルファベットになった。

しかし近年、俺はアルファベット代表にまで上り詰めたのにもかかわらず、酷い仕打ちに合う。
その悲劇のキッカケは日本人の言葉の略語だ。日本人は文章を書く時に表情が伝わるように(笑い)などと表記することがある。この(笑い)はいつしから(笑)に変わっていった。
ワラと読むだけで、文章は笑っている内容なんだと分かる。日本人ならではと言っても過言ではない。この略語はインターネット上で多く使われ、飛ぶ鳥を落とす勢いで浸透していった。
ここまでは日本人の面白い発想として受け止めていた。しかしこの略語はエスカレートする。
ワラをパソコンのローマ字で打ち込む際、WARAと打たなければならない。この打ち込むのを面倒と感じた日本人はいつしか【W】しか打ち込まなくなった。なんと俺だけで笑ってると相手に伝わるようになったのだ。一つでも笑っていることが伝わるし、三つも使われたら大笑いしていると伝わる。俺の存在は知らぬ間に世界の代表から、笑いを伝えるためのアルファベットとなっていた。

俺の悲劇はこれで終わりじゃない。まだ笑いを伝えるためのアルファベットなら、目をつぶろうと思っていた。日本人はさらにさらに略語を作り始めたのだ。なんとWWWを草と表記するようになったのだ。
なぜ草なのか?それは WWWの見た目が草の生えた形に見えるからとのこと。俺は本当にショックで立ち直れなかった。
世界でも1.2を争うほど敬われていたこの俺が、日本人は笑いの表現で使い始めた。そしてさらには俺を使わなくても伝わるようにしたのだ。

このことは【W】の質を下げたことになるだろう。もう昔のように俺を敬う者はいないだろうし、これからは笑い者として使われるのだろう。
俺はこうしてアルファベット代表の座から引きずり降ろされてしまったのだ。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン