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葵 ひとみさん

「フーコー「短編小説」傑作選8」にて、 「聖女の微笑み」が出版社採用で、出版経験があります。 第114回 時空モノガタリ文学賞 【 パピプペポ 】最終選考を頂きました。 第116回 時空モノガタリ文学賞 【 裏切り 】最終選考を頂きました。 心からありがとうございます。 感想、心からお待ちしています^▽^ Twitter @Aoy_Hitomi

性別 男性
将来の夢 毎日を明るく楽しく穏やかにおくります。
座右の銘 白鳥の湖、努力ゆえの優雅さ――。

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生粋の阿婆擦れ

17/12/27 コンテスト(テーマ):第151回 時空モノガタリ文学賞 【 あばずれ 】 コメント:2件 葵 ひとみ 閲覧数:402

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「生粋の阿婆擦れ」と聴いて想いだす女性は一人しかいない――

――大美三奈子――

私、猫多川賞受賞作家マタタビニャンキチがまだ猫多川賞を受賞する少し前の御話である……

6月27日、私が猫多川賞を受賞する前に、過去の猫多川賞受賞作品を緑茶で睡魔をねじ伏せて頭脳を覚醒させながら、深夜から翌朝まで読み耽っていた頃の御話である。

「この賞なら私でもいける」

と輝かしく眩しいヴァニラスカイの朝日の中で私は標的を狙うミカゴのように確信した……

その時、夜中パソコンに電源をつけたままだったのが、そもそもの間違いであった。
電源をつけたままだったパソコンに同時音声会話ソフト〜Hype〜に一通のメッセが届いたのである。

「今から御話しませんか?」と……

半年以上前の友達のみなこさんからである。

まだ、早朝の6時だよ、内心、ニャンキチは腹正しかった。

私はそれを無視して更に過去の猫多川賞受賞作品を読み耽っていた……

そうしたら、またもや北海道札幌市在住のみなこさんから岡山県津山市在住の私に同じメッセが届いた……

仕方なく私は、みなこさんと二人きりで〜Hype〜の同時音声会話を開始した。

「私、ニャンキチちゃんのことが好きよ」

いきなり、みなこさんはそう言った。

「困ります」

私は蝮を鉈で振り払い切り裂くように冷たく即答した。

みなこさんは父親が違う高校生と中学生の二人の娘を育てている42歳のシングル・マザーなのだ!?

39歳の私より3歳年上である……

みなこさんは以前、一生、治らないであろう性病をだらしのない彼氏に避妊せずに移されたともっぱらの〜Hype〜での噂である。

同時音声会話を始めなければよかったと内心、忸怩たる思いである。

「私、ニャンキチちゃんのことが好きよ」

また、みなこさんが繰り返した。

多くの女性読者の方達からは嫌悪される表現かもしれないが、

ここで、私は情にもろく、みなこさんに押し切られてお付き合いすることになってしまった、それも現実に逢ったこともないのに……

小説家を目指しながら、フリーターをしている私にはそれからが地獄の日々の始りだったのである。

私は、シングル・マザーであるみなこさんの為に、レンタルビデオ店でのバイトも増やした。

不眠症がある私はクリニックの温厚な高木先生から、

「マタタビさん、随分、痩せたね」

と心配された。

――みなこさんは貧しい家の三女として生まれた。
中卒で缶ビールの缶集めで働き始めて、実の父親からは、
「お前は、顔しか取り柄がないからソープ嬢になれ」と言われたそうだ――

私は、みなこさんからその打ち明け話を聴いたとき、私は嗚咽して泣いてしまった……

ある日、バイトを終えた後、みなこさんと二人きりで〜Hype〜をしていたら突然、クチャックチャッという湿った音がマイクから聞こえた。

「ニャンキチちゃん……今、あたしが何をしているのか?わかる?」

みなこさんは自慰をしていたのだ……

「ニャンキチちゃんが悪いのよっ」

みなこさんは甘ったるくそう言った。

ある日、みなこさんとケイタイで些細な事で喧嘩した後、
私は無言で深夜のレンタルビデオ店でのバイトに出かけた、
偶々、運悪くその日、レンタルビデオ店で他の店員によるレジのお金の窃盗事件があり、警察がきて事情徴収もあった、
それで、みなこさんに連絡できなかった時には、

「連絡しないなんてイヤミなことやめてよね〜〜〜」

とみなこさんからイヤミったらしく怒られた……

私とみなこさんがお付き合いしているという噂が〜Hype〜の中で広まり、

ある人物がみなこさんにこう囁いたらしい、

「マタタビの狙いは、みなこさんではなく、みなこさんの娘さん達だよ」と。

「そうなの?ニャンキチちゃん?」

訝しげにみなこさんは私に問いただした。

「そんな気持ち悪いことあるわけないだろー!!!告白してきたのはおまえだろ?頭おかしいんじゃないのか!?」

私は煮えたぎる活火山のマグマように激怒して、みなこさんは雪崩のように泣き崩れた……

「友達に戻りましょう」

私は、みなこさんに心臓が引き裂かれるぐらいの想いでそう告げた……

だんだんと、私はみなこさんの事が本当にこの無意味にただ広い宇宙で1番愛しい存在になっていた矢先である――


私と別れた6時間後――

大美三奈子はその性病を移されたであろう男と復縁した。





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このストーリーに関するコメント

18/01/15 あずみの白馬

拝読させていただきました。
美奈子さん、復縁早すぎw

振り回されたニャンキチ先生に幸あれ!

18/05/02 葵 ひとみ

あずみの白馬さま

御拝読心からありがとうございます(^▽^*)

ニャンキチ先生もまだまだ負けてはいませんよ(苦笑)

ニャンキチ先生、ハリキります(*・ω・)

こうご期待あれ(苦笑)

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