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山盛りポテトさん

ショートショートがすきです。 星新一さんの小説が好きです。 社会でもがいています。 わかりやすい王道のショートショートを書きたいと思いつつ・・・脱線してます。

性別 男性
将来の夢 海外旅行!一度でいいから行ってみたかったり。
座右の銘 人見るもよし見ざるもよし我は咲くなり 跪く前に開き直る

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みんなのアイドル

17/12/26 コンテスト(テーマ):第151回 時空モノガタリ文学賞 【 あばずれ 】 コメント:0件 山盛りポテト 閲覧数:296

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あの国民的アイドルのスキャンダルを知ってから俺の心は塞がったままだ。
誰もが羨む美貌で世の男性を虜にした佐和田りかのベッドイン写真が流出したのだ。
彼女は半ば逃げるように芸能界から去り、残された俺のような独り身の寂しい中年ファンは誰を恨んでいいのかも分からずに「空が綺麗」としか言えない精神状態になっていた。
しかしどれだけ苦しい思いをしても人は次第にそのことを忘れる。無くなるのではなく忘れてゆくのだ。
それゆえにふとした瞬間にその記憶がフラッシュバックし、布団の中で悶絶する。もういっそ俺を殺してくれ。
そんな時でも男の悲しい性というか劣情みたいなものは消えるわけもなく、もぞもぞとパソコンの前に座り、オカズを物色する。まるでスーパーで献立を考える主婦のようだ。
そこで俺はとんでもないものを眼にした「国民的美少女 佐和田○か ドキドキAVデビュー」と銘打った動画があるではないか。
「おいおい、どれだけ俺を苦しめるんだ」
そんな気持ちとは裏腹にマウスを操作する自分が悲しかった。
「ああ・・・・」
そこにはかつてあれほど夢中になってCDを買ったりライブに行って応援していた彼女の姿があった。
真っ黒に日焼けして刺青の入った胡散臭い男優に卑猥な言葉をかけられあれよあれよという間に生まれたままの姿になってしまった。
「えっ・・・ていうかこれは」
佐和田りかの裸に目を奪われていた俺はしばらくしてある違和感に気づいた。日焼けして刺青の入った男。
俺の親父だった。
つい佐和田りかに集中するあまりそのことに気づけなかったが間違いなく俺の親父だった。
俺が15の時に「タバコを買ってくるな」と言って蒸発して以来、もう20数年も会っていなかったのだが。
「こんなところにいたのか・・・まあ元気そうでよかったか・・・っていうかまだたつのか」
感動の再開がポルノサイトになるとは。可笑しくて笑い転げた俺はパソコンを閉じて。窓を開けて思い切り外の空気を吸い込んだ。
ヒンヤリしていてとても気持ちよかった。


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