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戸松有葉さん

ショートショート:小説投稿サイト「小説家になろう」で1001作以上、本サイト「時空モノガタリ」で入賞複数。 他、長編ライトノベルやエッセイなども。コメディ得意。 Amazon Kindle(電子書籍)http://amzn.to/1Xau7kMで活動中。(←URLは、Kindleストアを著者名「戸松有葉」で検索した結果。)代表作は『ショートショート集厳選集』とラノベの『二次元最高美少女』。 ツイッターは@tomatuariha3lb

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将来の夢 積極的安楽死法案
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サブヒロイン下克上

17/12/18 コンテスト(テーマ):第151回 時空モノガタリ文学賞 【 あばずれ 】 コメント:2件 戸松有葉 閲覧数:100

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「なに、レイセ。二人だけで話したいことって」
「アリエ様。私たちが登場しているこの小説ですが、今年で一巻刊行から十周年を迎えるそうです」
「らしいわね。長く続いたー、作中では一年も経ってないけど。それで、登場人物に過ぎないあたしたちに何の関係が?」
「単刀直入に申します。アリエ様、メインヒロインの座を降りてください」
「……え?」
「聞き返さないでください。聞こえていたでしょう。アリエ様にはメインヒロインの座を降りてもらい、私が代わってメインヒロインになります」
「ごめん、本気で何言ってるかわからない。どうしてあたしが降りなきゃいけないの? どうしてレイセがメインヒロインになるの?」
「どうしても何も、私の人気が高く、アリエ様の人気が今やモブと同等だからです。他に理由が要りますか」
「要るわよ! いっぱい要るわよ! ええと、まずこの小説のタイトル『白銀の魔女』、あたしの髪の色と魔法使えることからきてるの、明らかじゃないの。十年も続いたシリーズでタイトル変える気?」
「アリエ様の髪は白銀というより白髪じゃないですか」
「それは色塗りの関係で時々そう見えるだけでしょ!」
「歳も取っていますし。初登場から十年ですよ」
「だから作内では一年経ってないって。だいたい十七歳なんだから十年経っても全部白髪になったりしない!」
「まあタイトルなんてどうでもいいです、元々目を引くタイトルでもなかったですから、誰も気にしません」
「あんたって私の従者でいつも献身的なのに、裏ではこんなキャラだったの……」
「それも人気の秘訣です」
「うそぉ」
「二次創作ではよく黒く描かれます。真っ白なキャラはそんないじられ方しますから。アリエ様は二次創作に登場すること自体最近ないですね」
「いちいち喧嘩売ってくるわね。あたしだって、レイセの人気が一番で、あたしの人気が衰えていることは承知よ。グッズ展開も、レイセが第一弾で私が第二弾以降しかも未定とか露骨なことされてるわけだから」
「そうですね。作品は作者のものでも読者のものでも出版社のものでもありません、株主様のものですから、商品展開を間違えるわけにはいきません」
「あんたどこの回し者よ。でも! どんな人気事情があっても、メインヒロインの座は揺るがない。だって主人公のムツラはあたしの恋人じゃないの!」
「エッチもしましたからね」
「そう! って、レイセなんで知ってるの?」
「作中では知らないですが、まあ今はいいじゃないですか。でもそうなると、アリエ様は処女ではない――この作品の読者層が最も嫌う非処女ということになって、ますますメインヒロインとしてふさわしくないことに」
「ならないわよ。主人公と結ばれたんだから、これぞメインヒロインじゃない。他のヒロインの付け入る隙ないじゃないの」
「まあ、それでアリエ様の人気が不動だったら問題ないのですが。他の作品なら、主人公とメインヒロインのカプは鉄板で、カプとしても人気で、となるんです。それなのにアリエ様は人気がない。だから私が何とかするしかないのです」
「何とかって、レイセ何するの」
「難しいですが……私がムツラ君に好意抱いていることは周知の通りですから、鈍いムツラ君がようやく意識し始めて」
「あいつエロい割にすごい一途よ?」
「なら、多少強引に」
「え、まさか寝取るつもり?」
「それもやぶさかではないです」
「くっ、さっきから、このあばずれが!」
「ふうー。それですよ、アリエ様。なんですか『あばずれ』って。今時そんな言葉使うはずないでしょう。古いんです。アリエ様の時代は三十年前に終わっているんです」
「十周年なのに……。じゃあ今ならなんて言うの」
「ビッチあたりでしょうか。もちろん私は処女ですが。アリエ様と違って中古ではないですが」
「中古言うな」
「古今東西女性への罵倒文句は性的なものが多いですね。禿げていない男性に禿げと罵るようなものです」
「じゃあ言い直すわ。このビッチが!」
「事実処女ではないアリエ様がビッチです」
「一人とだけなのに?」
「昨今の読者は処女かビッチかの二択ですので」
「でもずっと言っているように、ムツラが相手なんだから」
「わかりました。こうなったらムツラ君も諦めて、私が主人公のスピンオフ作りましょう。本編より売れますよ。私絶大な人気ありますから。私はアリエ様たちと違って戦えませんが、本編がバトルモノですから、スプンオフは日常系でいいのではないでしょうか。現代日本学園モノもいいですね、可愛い制服とパンツで人気ももっと出ます」
「あんた本当厚かましいわね。古くてもいいから、やっぱりあばずれでいいわ」

(了)


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このストーリーに関するコメント

18/01/13 凸山▲

拝読しました。
『二次創作』的というか、キャラ問答式の懐かしい感じのブログのようでした。

18/01/13 戸松有葉

感想ありがとうございます。
そうですね、二次創作でのメタネタ的なものになりました。

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