山盛りポテトさん

ショートショートがすきです。 星新一さんの小説が好きです。 社会でもがいています。 わかりやすい王道のショートショートを書きたいと思いつつ・・・脱線してます。

性別 男性
将来の夢 海外旅行!一度でいいから行ってみたかったり。
座右の銘 人見るもよし見ざるもよし我は咲くなり 跪く前に開き直る

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表裏

17/12/14 コンテスト(テーマ):第150回 時空モノガタリ文学賞 【 悲劇 】 コメント:0件 山盛りポテト 閲覧数:200

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とにかくこの世はよくできているなと関心することがある。毎日飽きもせず日が昇り日が沈む、その間の中でやっかいな出来事というのは空気のそれと同じように俺に付きまといやがる。
そんな鬱屈した日常が今日も始まる。
「みーちゃんどこー?あらそんなとこにいたの」
オクターブ高い声で何やら言ってるが、俺は猫なので当然よく理解していない。
ちなみにどうやら俺はみーちゃんという名前らしい。そしてメスらしい。
しかし猫には性別などどうでもよい。馬鹿みたいに気にしてるのは人間くらいのものだ。
「わたしは仕事にいってくるからいい子にしててね」
少し名残り惜しそうに出ていく人間。
俺の前にはカリカリした茶色の餌が置かれている。
気が狂いそうだ。生肉を齧らせろ。太古よりうけつがれた遺伝子がカリカリを拒否してしまう。
しかし腹が減るので食べる。最近では腹が減るから食べるのか食べるから腹が減ってないのかよく分からなくなってきた。それくらい室内猫というのは退屈なのだ。
とは言っても人生、いや猫生にトラブルはつきものだ。室内だからといってただ平穏な暮らしができるかといえばそうは問屋がおろさない。
いつだったか、電気コードを噛んで丸焼けになるところだった。しかし猫なのでまた次の日も懲りずに噛んで丸焼けになりかける。これは何かの陰謀なのか?
人間もその様に気づいたようであわてふためいた様子で対策をたてた。
これもまた苦痛だ。野生に存在している生きるか死ぬかのスリルがなくなる。
こうなるともうどうしようもないのでただ眠る。
そして目が覚める。ふと考えた、この狭い世界から飛び出してやろう。
俺は玄関でジットその時を待った。そして人間がドアを開けたと同時に外へ飛び出した。
「みーちゃん!だめよ、戻ってきなさい!」
愚かな奴、何を叫んでも俺には言葉を理解できない。
とうとう自由の身を手に入れた俺はこの広い世界を駆けずり回った。
しかし疲れたので寝ることにした。
ところが寒くて寝れやしない。なんてことだ。おまけに腹は減るがカリカリすら落ちてない。おまけに車に轢かれそうになり何度も死にかけた。
これはまずいことになったと思い、家へ帰ることにした。まったく散々な一日だった。
家の前では人間が不安そうにうずくまっている。
少し申し訳なくなり、ニャンと鳴くとこちらの存在に気づいた。とても嬉しそうな表情で俺を抱きかかえた。
どうやら人間にとっては悪い一日でもなかったらしい。


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