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かのさん

性別 男性
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新たに飛び出した一歩。

17/12/13 コンテスト(テーマ):第150回 時空モノガタリ文学賞 【 悲劇 】 コメント:0件 かの 閲覧数:256

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受験に3回も失敗し、彼女にも振られ、バイトも出来ず、家でスマホをいじっている。
やっぱり、そろそろ死のうか。
習慣であるゲームのまとめ記事を見ながら、もう何回も考えた、死への思想を巡らす。
痛いのは嫌だし、苦しいのは嫌だし。
首を吊ったって、喉元を切ったって、手首を切ったって、みんな痛いし苦しいでしょ。
安楽死なんて言葉もあるよな。
きっと安らかに、楽に死ねるんだろう。
でも俺は死人に口なしなんて言葉も知ってる。
楽に死ねるなんて都合のいいことはないでしょ。
やっぱり家族に迷惑もかけれないよな。
自分以外の生活の跡が残るリビングがそう語る。
まあ、どうせちゃんと老衰で死んだって葬式や遺産相続やなんかで迷惑かかるからおんなじか。
でも血を流したり、変な死に方すれば、掃除とかでかなり余計な迷惑がかかっちゃうか。
それなら、他人に殺してもらえばいいのか。
そうすれば、迷惑はかかるけど俺に責任はないだろうし。
殺されるならやっぱり一番愛したあのこがいいなあ。
大好きなあのこの手で殺されるのなら、たいそう満足かもしれない。
果たして、2年も前にフった男が急に現れて、『俺を殺してくれ』なんて言ったらどうなるだろうか。
交通事故はどうだろう。
あれは轢かれた側に非があったとしても、車に乗っていた側が悪い裁定になることが多い。
確か俺は通学かなんかの交通事故の保険に入っていた。
親に多額の保険金が降りるかもしれない。
なんか、今回は行ける気がするわ。
同じような思想を何回もしてた。
でも、今回はいつもと違う。
すぐに上着を着て外に出る。
太陽が煩わしい。
近くの国道に出て、激しくゆきかう車を眺める。
現代の通販ではトラックが大活躍じゃないか。
あれ、でも、轢かれて、はねられて、死ねなかったらどうしよう。
大怪我をしても、すぐに救急隊がやって来て、完璧な処理をされたら、ただ痛いだけじゃん。
四肢のどこかが切断とか、そんなのやってられないや。
あ、でもきっと脚が無かったりすればきっと美化されるに違いない。
スポーツでもやればきっと社会的にも輝けるって。
今や身体障害は個性であり、素晴らしいものだ。
少なくとも、彼らは一生懸命に生きるだけで、今の何もない俺よりかは評価されてるよな。
俺を轢いちゃうトラックのおっちゃんには悪いけど、そろそろ行かせてもらいますね。
せわしなく動く車たちではなく、道の向こう側に視点を合わせる。
道の向こう側には、痩せこけて具合の悪そうな、小さな黒猫がいた。
俺に目を合わせて、気の抜けたような声で一つ、声を上げた。
ふふ。
少し滑稽で笑みが零れた。
さて、俺の人生、どうなるかな。


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