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蹴沢缶九郎さん

どうもはじめまして、蹴沢缶九郎と申します。暇つぶしに読んで頂ければ幸いです。「小説家になろう」でも同ニックネームで掌編小説を書いてます。http://mypage.syosetu.com/707565/ よろしくお願いします!!

性別 男性
将来の夢
座右の銘 明日は明日の風が吹く

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まだ頑張りなさい

17/12/05 コンテスト(テーマ):第150回 時空モノガタリ文学賞 【 悲劇 】 コメント:0件 蹴沢缶九郎 閲覧数:306

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朝、交通誘導の仕事を終えた田中は、自宅のある木造アパートに帰宅すると、さっそく毛布にくるまった。季節は冬、凍えるような寒さは田中を容赦なく襲うが、それでも彼が暖房機器の一切を使わないのは、電気代節約の為である。

自身の仕事仲間であり、先輩でもある四つ歳上の高橋が仕事中に倒れ、搬送先の病院で亡くなったと聞いたのは昨夜の事だった。
雪の降りしきる深夜、高橋の辛そうに誘導灯を振る姿が田中の脳裏に蘇る。元々心臓に持病を抱えていた高橋が倒れたのは、なるべくしてなったと言える。しかしそれを差し引いたとしても…。
いつか自分も高橋のようになってしまうのではと田中は思った。だが、生きる為には働かなければならないのだ。

今年で齢よわい九十になる田中は、電源を入れた携帯ラジオから流れる曲を子守唄代わりに、仕事の疲れから、いつしか深い眠りへとついた。

「…続いてのニュースです。政府は年金支給開始年齢を、現在の九十五歳から百歳に引き上げると発表。尚、年金受給資格試験の導入も…」

誰も聞いていないラジオは、静かに、ただ淡々とニュースを伝えていた。


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